フルカイテン株式会社が新たな在庫分析サービスを開始
大阪を拠点に在庫分析クラウド「FULL KAITEN」を展開するフルカイテン株式会社(代表取締役:瀬川直寛)は、新しいサービス「FULL KAITEN〈在庫ドック〉」の提供を2023年8月末より開始することを発表しました。このサービスは、小売業やSPA(製造小売業)、メーカー向けに特化され、在庫リスクの早期診断と課題の可視化を通じて企業の利益を最大化することを目的としています。
小売業界の現状とその課題
現在の日本の小売市場は、2008年から続く人口減少や高齢化によって市場規模が頭打ちとなり、厳しい競争環境に直面しています。加えて、原材料費の高騰や物価上昇に伴う影響も深刻で、「売上第一主義」によるリスクが顕在化しています。
特に、在庫を増やすことによって売上は一時的に増加するものの、売れ残りが多くなり、値引き販売によって粗利益の悪化を招くことが一つの問題です。
逆に、在庫を減らす場合は売上の減少や機会損失が生じ、結果として粗利益がさらに減少するリスクがあります。これら二律背反の課題をクリアするためには、在庫の最小化だけでなく、現状の在庫からいかに売上と粗利益を生み出すかが重要となります。そこで、注目されるのがGMROI(商品投下資本粗利益率)です。
在庫ドックの特徴
「在庫ドック」は、在庫最小化と粗利最大化を実現するための経営ダッシュボードを提供します。このシステムは、各種データをリアルタイムで分析し、在庫の健康状態を把握できます。特にGMROIを最重要KPIとして活用し、効率的な在庫運用を追求します。
システム内では、在庫回転率や消化率、売上金額、粗利率など多くのKPIを視覚的に表示し、企業が自社の在庫課題を瞬時に理解できるよう支援します。従来のExcelやBIツールでは対応が難しかった在庫分析ですが、在庫ドックではSQLを用いずに誰もが簡単に使用できるのが特長です。
機能と利便性
在庫ドックは、売上や在庫のデータを自動分析し、全社や店舗ごと、商品カテゴリごとに在庫リスクを診断します。また、独自の予測アルゴリズムに基づいた需要予測を日々実施し、在庫の特性をタイムリーに理解できることが大きな強みです。さらに、視覚的なUI設計によって、在庫状況をひと目で確認でき、課題を迅速に把握しアクションを起こす環境が整っています。
アクションプランの実行
この「在庫ドック」は、フルカイテンが提供する他のプロダクト(倉庫出荷、店間移動、売价変更など)と連携し、実効性のあるアクションプランを企業が実行できるようサポートします。顧客企業が在庫課題を効果的に解決し、競争力を高める手助けをすることで、より良い経営を実現することを目指しています。
まとめ
フルカイテンの新サービス「FULL KAITEN〈在庫ドック〉」は、日々変化する小売業の課題に特化したソリューションを提供し、在庫管理の新たなスタンダードを築くことが期待されます。これにより、企業は在庫の状況をスムーズに把握し、計画的な経営を進めることができるでしょう。