外国人患者対応の新たな取り組み
事業連携の背景
近年、日本に訪れる外国人や在住の外国人が増加し、国内の医療機関は外国人患者への対応が求められています。言語や文化、医療制度の違いから、医療従事者はしばしば外国人患者とのコミュニケーションに苦慮しています。このため、医療従事者の業務負担が増え、患者が安心して医療サービスを受けることが難しくなっています。
この背景を受けて、株式会社OPEReとメディフォン株式会社が連携を開始しました。OPEReはデジタルツール「ポケさぽ」を通じて、患者と医療者とのコミュニケーションを促進する支援を行い、メディフォンは医療機関向けの遠隔医療通訳サービス「mediPhone」を提供しています。
連携の目的
この連携は、OPEReの「ポケさぽ」とメディフォンの「mediPhone」を統合することで、医療現場での多言語対応における課題を解決することを目的としています。「ポケさぽ」は、LINEを利用して患者に入院案内や手術説明を自動配信するツールで、患者の理解をサポートします。一方、「mediPhone」は、医療通訳者による遠隔通訳サービスを提供し、医療従事者と外国人患者を繋ぐ架け橋となります。
協力によって、両社は医療従事者と外国人患者間のコミュニケーションをよりスムーズにし、質の高い医療サービスの提供を目指します。特に、医療者が直面する多言語での対応の負担を軽減し、安心して医療を受けられる環境を整えることが期待されています。
各社の代表からのコメント
OPEReの澤田優香代表取締役は、「訪日外国人の増加に伴い、多言語対応での課題が増えている。この連携によって、医療者と患者のコミュニケーションが円滑に行えるようになることを期待しています」と述べています。また、メディフォンの澤田真弓代表取締役も「両社が協力することで、多様な医療ニーズに対応できる体制を整えていきたい」と意気込みを語っています。
提供するサービス
mediPhone(メディフォン)
"mediPhone"は、官公庁や医療機関、自治体で10万件以上の利用実績を誇る医療通訳サービスです。最大32言語に対応し、応答率は99%を超えています。
このサービスは、電話やアプリを通じて医療機関や患者のどこからでも利用可能で、特に希少言語にも対応できる点が強みです。また、2020年度にはグッドデザイン賞、2022年には日本サービス大賞優秀賞を受賞しています。
ポケさぽ
"ポケさぽ"は、患者とのコミュニケーションを半自動化するツールで、QRコード一つで多くの情報を提供できます。これにより、医療者は業務の効率化が進み、より専門的なケアに専念できるようになります。
このような取り組みにより、OPEReとメディフォンは医療現場の多言語対応を支える体制をさらに強化し、外国人患者が安心して日本の医療を受けられる環境づくりを推進します。