PwCコンサルティングがNPOに社員を出向、社会課題解決への新たな挑戦
NPO法人クロスフィールズ(東京都品川区)は、2024年8月よりPwCコンサルティング合同会社(東京都千代田区)から2名のコンサルタントを出向として受け入れることを発表しました。この取り組みは、企業とNPOの新たな連携形式を象徴するものであり、長期的な人材交流が社会課題解決に向けた協働の深化を目指す重要なステップだと言えるでしょう。
出向される2名のコンサルタントは、それぞれ5-10年の職務経験を持つプロフェッショナルで、今後の2年間にわたりクロスフィールズのプロジェクトマネージャーとして活躍します。彼らは、ビジネスセクターとソーシャルセクターの橋渡しをし、さまざまな業務に携わることで、社会課題の解決を加速させる役割を担います。
これまでの企業からNPOへの人材交流は、短期間のプロボノや越境プログラムなど、単発的なものでした。しかし、最近ではビジネスを通じた社会貢献の重要性が高まり、より深い協働が求められるようになっています。この流れを受け、今回の出向受け入れはその新しい形を示すものとなっています。
両社の狙いと期待
クロスフィールズとしては、業界の第一線で活動するコンサルタントを長期的に迎え入れ、多様なプロジェクトの量と質を向上させることが目的です。人材の充実が、セクターを超えた社会課題解決の実現へとつながると期待されています。
一方、PwCコンサルティング側も、この出向が革新的な人材育成につながると考えています。ソーシャルセクターでの実務経験は、社員のスキルや視点を広げ、その後のキャリア形成においても大いに役立つでしょう。また、成功事例を地域社会に発信することで、他の企業にもNPOへの人材派遣のモデルを広めていく狙いがあります。
SDGsやESG施策としての役割
現在、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みは、企業にとって重要なテーマとなっています。このような背景から、企業は社会課題の解決に積極的に関与することが求められています。政府だけではなく、企業がこの運動の一端を担うことで、より広範囲な社会貢献が実現されます。
特に、経済同友会が提唱する「共助資本主義」の概念が注目されており、ビジネスセクターとソーシャルセクターとの明確な連携を促進するさまざまなプロジェクトが進行中です。この中で、クロスフィールズとPwCの協力が新たなモデルケースとして機能することが期待されます。
未来への期待
この出向受け入れの取り組みを通じて、今後も企業とNPOの協働が進化し、出向という形式での人材交流が広がっていくことが予想されます。クロスフィールズは引き続き、多様な取り組みを展開し、「社会課題が解決され続ける世界」の実現を目指して活動していく予定です。
このように、クロスフィールズとPwCコンサルティングの連携は、今後の社会課題解決の新たな形を示し、他の企業にも良い影響を与えることが期待されています。私たちもこの取り組みの進展を注視し、企業とNPOの協働の未来に期待を寄せていきたいものです。