AIカモフラージュの可能性
2021-10-20 11:30:03
AI技術を活用したカモフラージュ柄の新展開とは?
AI技術を駆使したカモフラージュ柄の挑戦
近年、人工知能(AI)技術が急速に発展し、監視カメラを通じて人間や物体を簡単に認識することができるようになりました。こうした技術の進化は、さまざまなメリットをもたらす一方で、プライバシーの侵害や不平等を助長する懸念も浮かび上がっています。それに対抗するために、AIを利用したカモフラージュ柄の開発が進められています。
カモフラージュの必要性
Qosmoが手がけるプロジェクト「UNLABELED」において、特に注目されているのが「敵対的機械学習」のアプローチです。この技術は、監視社会に対する新たな視点を提供し、AIによる物体認識の有効性を低下させることに特化しています。具体的には、特定の物体が映ることによってAIの認識が狂うことを意図し、その精度を下げるカモフラージュ柄の開発に取り組んでいます。
技術開発の過程
UNLABELEDチームが採用したのは、2018年に米グーグルから発表された「Adversarial Patch」というアルゴリズムです。このアルゴリズムを応用することで、AIが特定の対象を認識しづらくするパターンを生成しました。実験の結果、衣服としてのカモフラージュデザインが作成され、人の認識率を大幅に低下させることができました。この技術の詳細は、Qosmoの公式ウェブサイトやプロジェクトページでも確認可能です。
ただし、生成されたカモフラージュ柄は全ての監視カメラに対して有効というわけではありません。カメラの角度や距離、環境光によって結果は大きく変わるため、利用シーンを選ぶことが求められます。
インスタレーション「LABELING EYE」の紹介
このカモフラージュ柄を使ったインスタレーションが、「DESIGNART TOKYO 2021」で発表される予定です。この展示会では、Qosmoのプログラマーによる新しいインタラクティブ・インスタレーション「LABELING EYE」が公開され、訪れた人はその場で物体認識アルゴリズムをリアルタイムで体験できます。特に注目すべき点は、このインスタレーションを通じて従来の認識技術をいかにして欺くかを実演している点です。
また、展示においてはカモフラージュ柄を応用したパーカーやスケートボードなどの限定商品も販売されるため、カモフラージュ技術の実際の応用例を体感するチャンスとなります。これにより、AIの監視技術に対抗するための新たな創造性やアイデアが生まれることが期待されています。
終わりに
この新たなカモフラージュ柄の開発は、AI技術の進化がもたらす社会の変化に対する重要な問いを提示します。私たちがどのようにAIと共存し、プライバシーを守る道を模索するかが今後の焦点となるでしょう。開催されるDESIGNART TOKYO 2021での展示を通じて、ぜひその魅力を体感してみてください。
会社情報
- 会社名
-
株式会社Qosmo
- 住所
- 東京都目黒区上目黒1-13-14 REVE中目黒2F
- 電話番号
-
03-6455-2560