世界基準の証券アナリスト資格CFA、レベル1試験合格率43%。受験者数は過去最高を記録
世界基準の証券アナリスト資格CFAレベル1試験、合格率43%、過去最高受験者数
世界中で高い評価を得ている証券アナリスト資格CFA(Chartered Financial Analyst)のレベル1試験の結果が発表されました。2023年12月に行われた試験では、5万2,315名が受験し、合格率は43%という結果となりました。これは、前年同期比で受験者数が11%増加したことを意味し、過去最高の受験者数を記録したことに繋がっています。
CFAプログラムは、投資分析に関する理論と実践、そして倫理規範を重視した、大学院レベルの高度なカリキュラムです。3段階の試験に合格し、さらに4年間の関連職務経験を積む必要があるため、高い専門性と倫理観が求められます。
CFA協会会長兼最高執行責任者であるポール・スミス氏は、50年以上にわたるCFA協会の取り組みと、投資家の利益を第一に考える厳格な倫理基準を強調しました。同氏は、試験合格者に対し、業界の倫理と教育のグローバル標準であるCFA資格取得への一歩を踏み出したと祝辞を述べています。
キャリアアップを目指す多くの受験者
受験者アンケートによると、CFA試験を受ける主な目的として「キャリアアップ」と「キャリア開発」を挙げる人が60%を占めました。また、98%の受験者がプログラムを通じた理解の深まりを実感しており、CFA資格の価値を10点満点中8.9点と高く評価しています。
米調査機関FactSet社のジェフ・スペクター氏は、CFAプログラムの高い評価と、顧客へのメリットを強調しました。CFA資格保有者は、顧客ニーズに応えるための適切な投資知識を有していると述べています。
試験概要と今後の展望
レベル1試験は年2回(6月と12月)、レベル2とレベル3は年1回(6月)実施されます。すべての試験に合格するには、通常3年以上かかると言われています。
2015年のレベル1試験は、世界40カ国71都市の102会場で行われ、受験者数は米国が最も多く、次いで中国、インド、カナダ、英国などが続いていました。
CFA協会は、投資専門家の国際的な団体であり、倫理的な市場行動の推進と金融業界における知識の普及を目的としています。世界147カ国・地域に13万3,000名以上のメンバーを擁し、そのうち12万5,500名が資格保有者です。
日本では、一般社団法人日本CFA協会が、CFA資格者や受験者へのサポートを行っています。東京都千代田区に拠点を置き、講演会やセミナーなどの活動を通して、専門知識の向上とネットワーク構築を支援しています。
今回の試験結果から、CFA資格への需要の高まりと、高い専門性を求める金融業界の動向が改めて示されました。今後もCFA資格は、グローバルな金融市場において重要な役割を果たしていくでしょう。
会社情報
- 会社名
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一般社団法人日本CFA協会
- 住所
- 東京都千代田区大手町1-9-7大手町フィナンシャルシティサウスタワー5階
- 電話番号
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