エコマーク認証とTravalystの新たな連携
持続可能な宿泊施設の基準
最近、公益財団法人日本環境協会が運営するエコマーク認証が、世界的なOTA(オンライン旅行代理店)企業が参加するTravalystのサステナビリティ認証基準に合致したことが発表されました。この認証は、旅行者にとって信頼性の高い宿泊施設の選別に大きな意味を持ちます。
エコマークは、環境への配慮が見られる商品やサービスに付与される認証であり、1979年以降、日本環境協会によって運営されています。ホテルや旅館のエコマーク認証は、宿泊業界の持続可能性を向上させる重要な指標となっています。
Travalystとは?
Travalystは、2019年にハリー王子が設立した非営利団体で、旅行業界のサステナビリティを促進することを目的としています。現在、Amadeus、Booking.com、Expedia Groupなどの大手企業が参加しており、旅行者に環境に配慮した選択肢を提供する取り組みを進めています。
El Travalystの「Certification Initiative」は、旅行業界における複数のサステナビリティ認証制度を評価し、信頼性の高い宿泊施設の一覧を作成するものです。このリストに掲載されるためには、厳しい審査基準をクリアする必要があります。エコマークは、受験基準であるNo.503「ホテル・旅館」から認証を受け、このリストに名を連ねました。
認証制度の重要性
Booking.comが実施した調査によると、旅行者の45%がサステナブルな施設に魅力を感じており、その67%は、旅行予約サイトが同一の認証制度を用いることを望んでいるという結果が出ています。要するに、旅行者の多くが、信頼できるサステナビリティ基準のもとで宿泊施設を選ぶことを求めているということです。
エコマークは、サステナビリティの取り組みを行っている宿泊施設に対し、25ポイント以上のスコアを獲得することで認証を与えます。このうち2ポイント以上を満たしたカテゴリーについては、情報提供のために視覚的な印を使って外部にアピールすることが可能です。
エコマークの評価基準
エコマーク認定基準は、以下の6つの評価カテゴリーから構成されています:
1. おもてなしにおける環境配慮
2. 客室備品・設備の環境配慮
3. 廃棄物削減・リサイクル
4. 省エネルギー
5. 節水
6. 施設運営における全般的な環境配慮
これらの評価によって、宿泊施設がどれだけ環境に対して配慮しているのかを客観的に示すことができ、多くの宿泊施設が認定を受けた結果として、2024年9月1日時点で122件がエコマークの認定を取得しています。
未来の展望
今後、TravalystのパートナーであるOTA業者はこのリストに掲載されている認証制度を基に、宿泊施設の環境への取り組みを評価することが期待されます。これは旅行者にとってより良い選択肢を提供し、また環境保護への取り組みを強化する助けになるでしょう。
エコマークがTravalystにおいてどのように活用され、宿泊者の選択に影響を与えていくのか、その動向から目が離せません。