愛媛大学と日本システム技術が協力し、教育の未来を切り開く
この度、愛媛県松山市に位置する国立大学法人愛媛大学と、大阪市に本社を置く日本システム技術株式会社が共同研究を始めることを発表しました。この共同研究では、教育内のデータを活用したアーリーアラートシステムを開発し、学生の学習支援を強化することを目的としています。
教育現場の直面する課題
令和7年10月23日、愛媛大学の城北キャンパスで行われた記者発表では、初めに教育・学生支援機構の八尋秀典機構長が、教育現場が現在抱えている問題について語りました。特に、学生の中途退学率の上昇や、学習意欲の低下が深刻な課題として取り上げられ、その解決に向けた具体的な取り組みの必要性が訴えられました。これに続き、日本システム技術の落合聡上席執行役員からは、同社のビジョンとこの共同研究の重要性についての説明があり、「社会課題の解決へ寄与するために、本共同研究を通じて前進したい」と述べました。
アーリーアラートシステムの概要
この研究は、卒業予測モデル「卒業予報」と日本システム技術が持つ教務システム「GAKUEN」に蓄積された教学データを組み合わせて、学生の学習状況を可視化する新たなシステムを開発しようという内容です。本学が持つ教育・学生支援機構教育企画室が中心となり、データ分析を通じて卒業に影響する要因を抽出し、学生の現在の学習状況を把握するための基礎を築きます。これにより、学生自身が自己の学習状況を理解しやすくなるほか、教職員と学生の円滑なコミュニケーションも促進されることが期待されています。
支援体制の強化と教育品質の向上
アーリーアラートシステムの導入により、必要な支援を要する学生を早期に見極め、教職員が適切なタイミングで声をかけたり面談を行ったりできる体制を揃える計画も進められています。この新システムは、教育課題の特定や授業設計の改善にも寄与し、全体の教育品質を向上させることが目的です。共同研究は2025年3月31日までの予定で、最終的には全国の他大学への展開も視野に入れています。
今後の展望
愛媛大学は、今後も教育の質向上や学生支援の強化を図るため、企業との連携を通じて先進的な取り組みを続けていく意向を示しています。教育界に新しい風を吹き込むこの共同研究が、将来的にどのような影響を与えるのか、多くの期待が寄せられています。
参考情報
「卒業予報」については、愛媛大学の公式サイトなどで詳細が公開されています。興味のある方はぜひチェックしてみてください。