忘年会での飲酒強要、43%が経験も対応は消極的

忘年会における飲酒強要の現状

最近、株式会社エレメントが実施した調査によると、日本各地の職場での忘年会における飲酒強要、通称「アルハラ」に関する意識調査が行われました。この調査結果からは、忘年会文化が過去と大きく変わりつつあることが浮かび上がっています。

調査の背景

企業の就業環境や働き方が変革期にある今、職場の飲み会はその重要性が問われています。かつては、忘年会などのイベントがチームビルディングや人間関係の構築に寄与していたのですが、現代では多様性を尊重する姿勢が求められています。

本調査は全国の27〜85歳の男女300人を対象に実施され、忘年会に対する意識や実際の行動、トラブル経験などが詳細に調査されました。

主な調査結果

調査によると、約39.3%の人々が「忘年会を開催しない見込み」と回答しています。このデータは職場の飲み会離れが進んでいることを示しています。また、約43.3%の人が「アルハラを見聞き・経験したことがある」としながら、その多くが「かなり前」の経験であると答えています。

一方で、実際に「お酒を勧めた経験がある」とする人はわずか7%と非常に低い数値に留まっており、飲み方を気遣う姿勢が見られました。具体的には、約29.3%が「飲めない人に配慮し」、34.3%が「飲み方を促さない」と回答しています。

このことから、飲酒を強要する文化が不快に感じられている一方で、実際の行動には消極的な側面があることが伺えました。8割以上の人がアルハラを見聞きした際に「特に何もしなかった」と答えたことも、その傾向を裏付けています。

社会的な背景

近年の働き方改革が進む中で、企業が求めるのは「心理的安全性」です。これにより、従業員が自分の意見を自由に表明でき、ストレスを感じることなく業務に集中できる環境が必要とされています。この流れの中で、忘年会の意義が問われるようになっています。職場での人間関係を向上させる方法として、飲み会のあり方が再考されているのです。

ルールの明文化

調査では、飲み会のルールが「明文化されている」と答えた人はわずか5.67%、暗黙のルールがあるとする人も12.33%に留まりました。驚くべきことに、「ルールなし」との回答が68%を占め、飲み会に関する規範が不明確であることが示されました。これは無自覚な加害を生む要因ともなっていると考えられます。

総括

今回の調査結果は、忘年会という日本の文化が変化しつつあることを明らかにしました。職場の飲み会に対する意識が変わり、多様性が求められる入り口に立っているといえます。今後の企業活動においては、こうした文化の見直しが重要な課題となるでしょう。アルハラをなくすための具体的な対策や意識改善が急務とされています。

詳細な調査結果や、アルハラを防ぐための啓発活動については、ぜひ関連コラムをご覧ください。