日本ワインの未来を支える原木園設立の取り組み
一般社団法人 日本ワインブドウ栽培協会(JVA)は、日本ワイン業界の持続可能な発展を目指し、クラウドファンディングを開始しました。プロジェクトの主旨は、「日本ワインの未来を救え!」というスローガンのもと、健全なワイン用ブドウ苗木の供給基盤となる「原木園」の設立です。
日本ワインの危機的な状況
近年、日本ワインはその品質が向上し、世界的にも注目されています。しかし、同時に気候変動などの影響によりブドウの病害リスクが増加しており、未来の品質低下の懸念が広がっています。この状況で重要な課題は、ブドウがウイルスに感染しているという問題と、気候に適合した多様な品種が見つかっていないことです。
ウイルスの影響
日本国内のブドウ畑の約50%はウイルスに感染しており、このことは直接的に収穫量やワイン品質の低下を招いています。世界の主要ワイン産地では、ウイルスチェック済みの健康な苗木が一般的に用いられますが、日本はその供給体制が整っておらず、リスクが高い状況が続いています。
品種の不足
日本は広範な気候を持つ国ですが、最適なブドウ品種の選定が遅れており、多様な条件に応じた栽培方法の確立が求められています。国内で使用されるワイン用のブドウ品種は約63種にとどまっており、フランスやアメリカの数百種と比較すると、その差は著しいです。
JVAの「原木園」設立の目的
この問題を解決するため、JVAは長野県東御市に「原木園」を設立します。ここではウイルス検査済みの健全な母樹を育てることで、効率的に多様なブドウ品種を生産し、全国の生産者への供給を行います。
原木園とは
原木園は、ワイン用ブドウの苗木の基盤を育てる特別な施設です。フランスなどでは長年このシステムが確立されていますが、日本ではまだ始まったばかりです。ここで育つブドウ樹は厳正に管理され、ウイルスを避けた健康な苗木として各地で積極的に活用されることを目指します。
クラウドファンディングの目標
このプロジェクトには、段階的な目標が設定されています。
- 原木園の基本的な整備
- 植栽やウイルス検査の実施
- 苗木生産体制の構築
- 新しい品種の輸入・検疫
- 原木園の拡張
- 海外の専門家を招いたセミナーの開催
支援の形
支援者には特別なリターンが用意されています。例えば、JVA限定のチャリティーワインの提供や、原木園内の名入りのプレート設置、理事によるワイナリー案内や私的なセミナーなどです。これは、日本ワインへの情熱を持つ人々が参加し、支援できる素晴らしい機会でもあります。
まとめ
この取り組みは、100年後の日本ワインを見据えた真剣なプロジェクトです。私たち一人一人が日本ワインの未来を支え、共に育てていく仲間となりましょう。クラウドファンディングへの参加は、ワインを愛する皆さんにとっても大きな意味をもつものになるでしょう。詳細は
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