効率的なコンテンツ制作を支える「proofrog」の登場
タクトピクセル株式会社が開発したWebツール「proofrog」は、コンテンツ制作現場においてデータの更新や新旧バージョンの比較作業を効率化することを目的としています。特に、画像比較技術と光学文字認識技術(OCR)を活用することで、手戻りリスクを低減し、制作の流れをサポートします。
従来の検版システムでは、画像の差分チェックが主な方法であり、特に文字校正の過程で非効率な部分がありました。しかし、最近のAI技術を利用した「proofrog」では文字認識の精度が向上し、これまでの問題を解決しています。加えて、関係者間でのデータ共有や承認作業を支援するコミュニケーション機能も搭載予定です。デモサイトは2019年8月30日からオープンしており、利用は無償で行える期間が設けられています。
コンテンツ制作の課題
コンテンツ制作においては、さまざまなデータ形式(PDF、Adobe Illustrator、ラスタライズ画像など)が使用されます。修正依頼が頻繁に発生する中で、個別に目視確認を行った結果、膨大な手間と時間がかかっていました。特に、部分修正の依頼であっても、誤って他の部分を修正していないか確認するために、全体を再確認する必要がありました。これは明らかに非効率なプロセスです。
文書やプログラムのソースコードにおいては、優秀なバージョン管理ソフトウェア(SubversionやGit)が普及していますが、同様の仕組みを画像データに適用するためのツールは不足していました。これは、画像情報が多様なフォーマットを持ち、それぞれ独自の制作プロセスを有するためです。これに見合った統一的なツールは、業界や会社ごとのニーズに応じたものが必要とされてきました。
proofrogの機能と利点
「proofrog」では、シンプルな画像比較機能とOCRによる文字の比較機能が搭載されています。これにより、単なる画像の差分を見つけるだけでなく、画像と文字情報の校正も効率的に行えます。修正履歴は時系列で管理され、各バージョンの修正点や欠陥が視覚的に分かりやすく表示されます。特に同一形式でないデザインデータでも使用可能なため、異なる部署間で作成されたデータの比較が容易になります。
次期バージョンのリリースは2023年12月を予定しており、原稿と印刷物のスキャンデータ間の校正機能が追加される予定です。また、部門や会社を超えたコミュニケーション機能も強化され、承認の迅速化と手戻りリスクの軽減へと繋がります。
タクトピクセル株式会社の紹介
タクトピクセル株式会社は、2018年に設立されたスタートアップ企業で、印刷業界向けのAIソリューションを提供しています。機械学習や画像処理技術を活用し、印刷製造業の効率化や省人化に向けたシステム開発やコンサルティングを実施しています。特に、意匠性や品質保証、少ロット多品種といったニーズに応える専門的なソリューションを展開している点が特徴です。
「proofrog」は、これまでの作業プロセスを根本から見直し、より効率的で高品質なコンテンツ制作を実現するための大きな一歩となるでしょう。今後さらなる機能強化と共に、印刷業界の未来を切り開いていくことが期待されます。
公式サイト:
https://taktpixel.co.jp/