JASRAC音楽文化賞 第11回受賞者発表!音楽文化の発展に貢献した3組を表彰
2023年11月18日、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)は、第11回JASRAC音楽文化賞の受賞者を発表しました。今年は、久保田麻琴氏、一般財団法人杉並児童合唱団、そしてモントレージャズフェスティバルイン能登実行委員会の3組が、その功績を称えられました。
各受賞者の功績と活動内容
久保田麻琴氏
久保田麻琴氏は、世界各地の音楽を探求し、その魅力をCD制作や著書を通して紹介してきた音楽家です。特に、沖縄の宮古島や周辺諸島に伝わる神歌や古謡の復元・記録においては、民俗学的にも高い価値があると評価されています。阿波踊りや郡上おどりのような日本の伝統芸能の発掘・発信にも力を注いでおり、日本の音楽文化の豊かさを国内外に広く伝えてきました。2011年には、宮古島の神歌に焦点を当てたドキュメンタリー映画「スケッチ・オブ・ミャーク」を制作し、スイス・ロカルノ国際映画祭の批評家週間部門でスペシャルメンションを受賞するなど、その活動は高く評価されています。
一般財団法人 杉並児童合唱団
1964年創設の杉並児童合唱団は、長年にわたって高いレベルの合唱活動を続け、数々の舞台で活躍しています。合唱ミュージカルやポピュラー楽曲のアレンジなど、独自の楽曲開発にも取り組んでおり、多くの作品を発表。さらに、全国の指揮者・伴奏者向けの研修プログラム「杉並会議」を主導し、日本の児童合唱団の発展にも大きく貢献しています。現在も約230名の団員が活動しており、60周年記念演奏会を控えるなど、勢いのある合唱団です。
モントレージャズフェスティバルイン能登実行委員会
1989年から開催されている「モントレージャズフェスティバルイン能登」は、能登地域の夏の風物詩として知られています。本場モントレーから選抜された高校生ビッグバンドの来日や、市民との交流を通して、地域の活性化に貢献。2024年1月1日に発生した能登半島地震の影響で今年の開催が危ぶわれましたが、音楽の力で被災者を励まそうと、入場無料、出演者も無償で参加する形で開催されました。音楽を通して地域に深く根付いた活動が評価されています。
JASRAC音楽文化賞について
JASRAC音楽文化賞は、商業的な成功とは別に、音楽文化の発展に貢献した個人・団体を表彰する賞です。売り上げや利用実績などの数字には表れない地道な活動に焦点を当て、音楽文化のさらなる発展を促進することを目的としています。受賞者には、表彰盾と副賞30万円が贈られます。
今後の展望
JASRACは、今後も音楽文化の発展に貢献する活動を積極的に支援していくとしています。音楽を通じた地域活性化や、伝統音楽の保存、若手音楽家の育成など、多岐にわたる分野への貢献に期待が高まります。