戸田建設株式会社が新本社ビルであるTODA BUILDINGにおいて、FSC®️プロジェクト認証を取得したことが発表されました。これはゼネコンの本社ビルとしては国内初となり、今後の建設業界における持続可能な取り組みの象徴となります。
この認証は、FSCジャパン(特定非営利活動法人 日本森林管理協議会)によって与えられ、今回の対象範囲には役員エリアの廊下、会議室、特別応接室、さらにはカフェカウンターの4か所が含まれています。この授与式は、2024年10月25日に認証機関であるSGSジャパンの立ち合いのもとで行われ、FSCジャパンの代表も参加しました。
戸田建設は、2023年7月18日に北海道下川町との包括連携協定を結び、下川町における林業の活性化と地域の木材の付加価値向上に向けた取り組みを進めています。この町の森林は「循環する林業」と持続可能な資源管理を目指し、未来の世代に向けた森林の健全な継承を実現するための計画が立てられています。
特に、今回使用された木材はその産地である北海道下川町から供給されており、FSC認証材としての特徴を持っています。この木材がもたらす環境保全の観点から、CO2の固定効果や温かみのある木材の良さを充分に活かした建築が進められています。また、戸田建設は「木財トレーサビリティ™️」という仕組みを確立し、森林の管理状態や木材調達に関する情報をお客様に提供することで、より責任ある資源利用を推進しています。
授与式では、戸田建設社長の大谷清介氏が「持続可能な林業を実践する地域の森林資源を積極的に活用し、木造・木質建築の実現に努め、サステナビリティ経営を推進していく」と語りました。この言葉からも、今後の取り組みに対する強い決意が伺えます。
FSCジャパンは、森林資源の適切な利用と保護を推進するため、FSC認証材を活用した木造建築の普及を目指しているため、戸田建設の取り組みはその理念と一致するものです。今後も、国産木材の利用促進や森の保全活動に関する情報発信を続けていく考えであり、業界全体の意識向上につながることでしょう。
FSCプロジェクト認証とは、規格品の大量生産ではなく各プロジェクトごとに個別に設計されたものを対象とした認証であり、環境への配慮が求められます。これにより、森林破壊や違法伐採のリスクが低減され、責任を持って調達された木材が使用されていることが保証されます。
FSC(Forest Stewardship Council)は、1994年に設立された非営利団体で、環境保全と持続可能な森林管理の普及を目的としています。日本国内でもFSCの普及が進んでおり、数多くの組織がこの認証を取得しています。
今後の戸田建設の活動に注目が集まります。持続可能性の視点から、地域に根ざしたより良い建設業界の実現を目指して、引き続き努力していく企業精神を応援したいものです。