住友林業とライノフラックス、高効率バイオマス発電技術で協業を強化
住友林業株式会社と京都大学発のスタートアップ企業、ライノフラックス株式会社が、高効率な木質バイオマス発電技術の社会実装に向けた協力を進めています。この協業の第一弾として、ライノフラックスが開発した技術を用いた小規模実証試験が、2025年4月に成功裏に終了しました。今回はこの試験の結果について詳しく紹介します。
実証試験の概要
ライノフラックスが開発した「湿式ケミカルルーピング技術」を利用した次世代バイオマス発電プラントの商用化を目指す両社は、1kWのプロトタイプを用いた小規模実証試験を2025年9月に開始しました。この試験は、ライノフラックスの研究所内で行われ、試験期間は2025年9月から2026年4月までの約半年間です。
実証試験では、120時間以上の連続運転を実現し、目標とする発電効率を達成。その結果、発電と同時に99.9%の高純度CO₂の分離と回収にも成功しました。これにより、今後の実際の商用化に向けた基盤が整いました。
環境への配慮と持続可能性
従来のボイラー・タービン方式とは異なり、ライノフラックスの技術は燃焼を伴わず、化学反応を利用して木質バイオマスから電力と高純度CO₂を効率的に生成します。この新技術は、分散型エネルギーシステムの一環として、またカーボンリサイクルにおいても大きな役割を果たすことが期待されています。
住友林業としては、未利用木材の活用を進め、新たな木材需要を創出することで再造林を推進し、森林の若返りを図ります。この取り組みは、持続可能な循環利用だけでなく、CO₂排出量の削減にも貢献することを目指します。
今後の予定と展望
実証試験の成果を元に、両社は20kW級の実証試験設備の設計、製作、設置を進め、2027年10月以降に新たな実証試験を開始します。これにより、実際の事業環境において連続運転性や原料の多様性への対応力、発電およびCO₂回収性能の検証が行われる予定です。
また、目指す2108年以降には100kW商用プラントの商用化も視野に入れており、将来的には大規模なプロジェクトへの展開も進めていく意向です。
住友林業のビジョン
住友林業グループは、「木」を基軸とした事業をグローバルに展開しています。2030年までに、森林のCO₂吸収量を増やし、木材建材の製造・流通を通じて、自社および社会全体の脱炭素に貢献することを目指す「Mission TREEING 2030」を掲げています。バイオリファイナリー事業を通じて、木質バイオマス資源の可能性を最大限に引き出し、CO₂排出量削減と炭素固定量の増加に努めていきます。
住友林業とライノフラックスの合作は、持続可能な未来に向けた新たな一歩として注目を集めています。今後の発展に期待が寄せられます。