韓国における外国人観光客の消費動向とその変化を解説

韓国への外国人観光客の消費動向の変化

2025年9月30日、グローバル決済テクノロジー企業Visaは、韓国を訪れる外国人観光客の消費傾向に関する新たな分析結果を発表しました。このデータは2024年4月から2025年3月にかけて国外発行のVisaカードを使用した対面取引の情報に基づいています。

国・地域別の消費額の変化

調査によると、訪韓外国人の消費額の中で最も多かったのは、米国、日本、中国であり、これらの国・地域が全体の50%を超える消費を占めています。興味深いことに、台湾と香港の観光客も前年同期比でそれぞれ54%と50%の消費増加を見せ、訪韓外国人の中での存在感を高めています。一方、タイからの観光客は消費額が14%減少し、順位を一つ下げました。

この減少は、韓国電子渡航認証制度（K-ETA）の再導入に伴うものとされ、入国の障壁が影響しています。これに対し、台湾からの観光客は147万人に達し、過去最高を更新しました。

ヘルスケアと小売における需要の高騰

韓国におけるヘルスケアや美に関連する消費は特に顕著で、外国人観光客の増加に伴い全体の消費額が前年同期比で26%増に達しました。その中でもヘルスケア部門が大きな成長を見せており、特に美容施術の需要が高まりました。皮膚科クリニックが多くの観光客を引き寄せており、その結果、ヘルスケア部門の消費額は前年同期比で58%増加しています。

美容関連商品も人気で、ディスカウント店の決済額が63%増加し、観光客が訪れるドラッグストアは口コミで人気が広がっています。特にニキビ治療薬や再生クリームなど、韓国特有の美容商品は観光客の心を掴んでいます。

日本人観光客が牽引する市場

特に注目すべきは、日本からの観光客がヘルスケア部門の成長において中心的な役割を果たしている点です。日本人旅行者は、ウェルネスやパーソナルケア、スキンケア関連サービスにおいて高い消費を示し、特に20代・30代の女性の需要が顕著です。日本人観光客が占める割合は全体の19%であり、前年同期比からも増加しています。