高校生が海洋ごみ問題に立ち上がる
2023年9月23日、福井県で「高校生海洋ごみ削減動画コンテスト」が開催されました。このコンテストは一般社団法人福丼県プロジェクトが主体となり、県内の高校生が海洋ごみ問題の啓発動画を制作するという独自の試みです。地域の環境意識を高めるべく、高校生たちが一堂に会し、自身の思いを映像に込めて発表しました。
企画の背景
このコンテストは、5月から始まった「高校生ごみパトロール隊」に続くもので、福井県内の高校生によるごみ拾い活動を応援することを目的としています。海洋ごみ問題への意識は高い高校生たちですが、活動が個々の取り組みに留まる現状がありました。そこで、本企画では高校生が主役となり、より大きな影響を生む新たなコンテンツを作ることを目指しました。
イベント概要
コンテストは福井市にぎわい交流施設ハピテラスで行われ、参加したのは福井県内の高校生たち。審査員として福井テレビジョンの吉田尚広氏、福丼県プロジェクトの野坂昌之代表理事が出席し、動画の発表を見守りました。応募作品のテーマは「海洋ごみ削減を啓発する動画」。特に環境問題に対する高校生ならではのアイデアや思いが光る20作品が集まりました。
前準備としてのごみ拾い
コンテストの前日には「福井まちなか一斉ごみ拾い」が行われ、全参加者がこの活動に参加。実際にごみを拾うことで、海洋ごみ問題への意識を一層高める機会となったようです。この活動を通じて、海を守る意義を再確認し、コンテストへの思いを新たにしました。
各作品の個性豊かな発表
動画の審査においては、アイデアの独創性、社会貢献度、熱意、海洋ごみ問題への想い、成果物の発表内容といった項目が評価されました。出場者はそれぞれ自身の動画とともに、海洋ごみ問題に対する考えや、作品のコンセプトについて熱く語りました。
特に、福井県立鯖江高等学校の村田さんが制作した『美味しいお寿司が食べたい!』がグランプリに輝きました。彼女の動画では、大好きなお寿司を守るために海洋ごみを拾う女の子の物語が描かれており、視聴者にとって親しみやすい内容に仕上がっています。
受賞者の声
コンテストを終えた参加者たちは海洋ごみ問題に対する意識が高まったと語っており、実際に自分の手で行動することで環境を守る一歩を感じたとのことです。ある高校生は「小さな行動が未来の海を守る力になる」と語り、今後もこの取り組みを広げていきたいと強調しました。
プロジェクトの意義
「高校生海洋ごみ削減動画コンテスト」は、日本財団が進める「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環でもあり、全国での海洋ごみ問題の意識向上を図っています。このプロジェクトでは、産官学民が一体となって、持続可能な社会を実現するためのモデルを構築していくことが目指されています。
今回のコンテストは、高校生の創造力と情熱を通じて、海洋ごみ問題の重要性を広める絶好の機会となりました。多くの次世代を担う若者たちが自ら考え、行動することで、未来の海がより良いものへと変わっていくことを信じています。