特許庁主催のIP BASE AWARDでスタートアップと支援者が栄誉を獲得

特許庁主催の知財アワード「IP BASE AWARD」開催

2025年2月28日、特許庁が主催する「第6回IP BASE AWARD」がベルサール汐留で盛況に開催されました。これは事業成長に寄与する知財活用を行ったスタートアップや支援者を表彰するイベントです。今年度のアワードにおいては、スタートアップ部門とスタートアップ支援者部門が設けられ、受賞者が決定しました。特に、スタートアップ部門では新しい選考方法が導入され、ファイナリストによる公開ピッチ審査が行われたことが特徴です。

スタートアップ部門の受賞者

スタートアップ部門では、グランプリに輝いたのは大熊ダイヤモンドデバイス株式会社です。この企業は北海道大学および産業技術総合研究所から発足し、宇宙や防衛、通信の分野での「ダイヤモンド半導体」の社会実装を目指しています。特に、同社は福島第一原子力発電所の廃炉事業において要素技術を開発しており、知財戦略と事業戦略の連携が高く評価されています。

また、株式会社サイキンソーはオーディエンス賞を受賞。この企業は大規模な腸内フローラデータプラットフォームを提供し、個人向けの検査サービスで16万人以上の実績を誇ります。知財を活用した収益化戦略により、ビジネスモデルを構築しています。さらに、株式会社カルディオインテリジェンスが奨励賞を受賞しました。この企業はAIを活用した心臓病診断支援機器の開発に取り組んでおり、医療の質向上を目指す知財戦略を展開しています。

スタートアップ支援者部門の受賞者

スタートアップ支援者部門では、坂本剛氏がグランプリを受賞しました。彼は九州大学での大学発スタートアップ支援を始め、その後自ら設立したQBキャピタルを通じて、知財戦略を重視したサポートを行ってきました。地域のイノベーション促進に貢献する活動が評価されています。

さらに、慶應義塾大学イノベーション推進本部も受賞。大学の研究成果を事業化する支援活動において、その包括的なアプローチが功績として認められました。一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズは奨励賞を受賞し、シード期のスタートアップを支える独自の支援モデルが評価されています。

このイベントでは、各受賞者の知財活用や支援の方法が発表され、事業成長における知財の重要性が再認識されました。05年の歴史を持つこのアワードは、知財功労賞の登竜門とも言われており、今後の展開にも取材が期待されます。

株式会社角川アスキー総合研究所

アワードを運営した角川アスキー総合研究所は、メディアやコンテンツ制作の分野で培ったノウハウを活かし、調査やコンサルティング、ビジネスソリューションなど様々なサービスを提供しています。公式サイトでは、さらに詳しい情報や授賞式のアーカイブ配信が行われています。

このように、日々進化を続けるスタートアップや支援者たちの取り組みは、知財の活用を通じて新たなビジネスチャンスを生み出しています。今後のさらなる活躍が楽しみです。