ポストコロナにおける働き方の変化
慶應義塾大学経済学部の大久保敏弘教授が率いるチームは、コロナ禍からポストコロナにかけての就業者の実態を明らかにすべく、11回のアンケート調査を重ねてきました。その成果が「第2回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査」として発表され、テレワーク利用率や生成AIの影響など、現代の働き方に迫る重要なデータが公表されました。
テレワークの現状
調査によりますと、2024年12月の時点で日本国内におけるテレワークの利用率は約13%。特に東京圏では21%と高い数字が出ています。しかし、興味深いことに、この利用率は横ばい状態であり、過去のピークに比べると、その頻度が減少していることも見逃せません。企業側のテレワーク推奨の姿勢が弱まっていることが、この現象に影響を与えていると考えられます。
生成AIの拡大傾向
一方で、生成AIの導入や活用がじわじわと進展しており、それに伴い業務効率の向上を実感する働き手が増えていることも報告されています。テクノロジーの進化は、働き方の効率化を図るツールとして期待されており、テレワークと組み合わせることで新しい成長モデルとなる可能性があります。これまでにはないクリエイティブな業務への取り組みができるようになり、多くの業種でAIが活用されています。
社会的意識の変化
テレワークの利用者が減少している一方で、仕事に対する意識や生活スタイルも変化しています。調査によると、テレワークを行っている人々の中には、家庭やプライベートとの両立を図るために自らの働き方を見直そうとする意識の高まりが見られます。また、仕事と私生活のバランスを大切にする風潮が社会全体に浸透していることも、テレワークの推奨姿勢が後退している理由の一つでしょう。
今後の展望
これからの働き方において、どのようにテレワークと生成AIを融合させていくかが鍵となります。日本の労働市場は変化の時代を迎えており、企業は変わりゆく環境に適応していく必要があります。働く人々の意識やライフスタイルに寄り添った制度や政策が求められる中、テクノロジーを活用した新たなビジネスモデルの構築にも期待がかかります。
このように、ポストコロナ時代におけるデジタル技術の進展は、私たちの働き方を大きく変える要素となっています。今後の調査結果やその活用方法に注目が集まります。