飲料業界の共同努力で進む物流改革と社会課題への対応
1. 飲料業界が直面する課題とその影響
日本の飲料業界は、近年急速に変化する物流環境に直面しています。特に、2024年4月から施行される改正貨物自動車運送事業法により、運転手の労働条件が厳しくなることが予想されています。この法改正は、業界全体に大きな影響を与え、商品を消費者に届けるための効率的な物流管理が求められています。
2. 『社会課題対応研究会』の設立と目的
この状況を受けて、アサヒ飲料、伊藤園、キリンビバレッジ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サントリー食品の5社は、昨年11月に『社会課題対応研究会』を立ち上げました。この研究会は、物流2024年問題、温室効果ガス(GHG)排出量削減、食品ロス等の課題に取り組むことを目的とし、各社が持つ知見や経験を持ち寄り、効率的な解決策を模索しています。
3. 待機時間と荷役作業の削減への取り組み
研究会の活動の中で特に注力されているのが、トラックドライバーの待機時間と荷役作業の削減です。昨年からの実績では、待機時間は約40%、また荷役作業は約30%の削減に成功しています。これらの改善は、物流パートナーや取引先との協力のもとで進められています。具体的には、待機時間1時間以上のケースを減少させるための様々な方策が模索され、実践されています。
4. 共同配送・往復輸送の実施
効率的な物流の実現に向けて、研究会内では同業他社や異業種企業との共同配送や往復輸送の取り組みも行われています。例えば、2024年7月にスタートする伊藤園と日清食品の往復輸送、またサントリーグループとダイキン工業との共同配送など、様々な物流の最適化が進められています。このように、企業間での連携を強化することにより、各社の配送効率を向上させることが期待されています。
5. 持続可能な社会へ向けて
また、研究会は省庁や異業種の物流研究会との情報共有も進めており、個社単位では解決が難しい社会課題に取り組むための協働も進めています。具体的には、飲料容器を中心とした資材の見直しや、より持続可能な社会を実現するための取り組みが議論されています。
今回の取り組みは、単に企業の利益を追求するだけでなく、消費者ニーズに応じた商品提供と、環境への配慮を基本にした社会的責任の果たし方が求められています。今後も飲料業界5社は、持続可能な事業活動を推進し、社会的なニーズに応える努力を続けていくことでしょう。
6. 最後に
飲料業界が直面している課題は多岐にわたりますが、共に協力することで、より良い未来を築くことが可能です。今後の『社会課題対応研究会』の動向にも注目です。
会社情報
- 会社名
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アサヒ飲料株式会社
- 住所
- 東京都墨田区吾妻橋1-23-1アサヒグループ本社ビル
- 電話番号
-
03-5608-5331