バリ島に新たな文化拠点誕生!寒川裕人、常設美術館「Eugene Museum in Bali」開館へ
現代美術家・寒川裕人の作品を常設展示する美術館「Eugene Museum in Bali」が、2026年初頭にインドネシア・バリ島に開館予定であることが発表された。世界遺産のタナロット寺院に囲まれた緑豊かなエリアに位置する同美術館は、アート、教育、環境配慮を融合した、新たな文化拠点となる。
自然と文化が融合する空間
美術館の建築デザインは、インドネシアを代表する建築家アンドラ・マティンが手がける。アンドラ・マティンは、2022年にアガ・カーン建築賞を受賞した実績を持つ建築家であり、自然環境に配慮した設計で知られている。美術館は、約44haの都市内に位置し、敷地1ha、総面積5,000㎡(ランドスケープ一体型の作品等を含む。延床面積約3,500㎡強)となる予定だ。
寒川裕人の世界観を体感
美術館には、寒川裕人の代表作である「海庭」、「Goldrain」、「Everything Shine」等が展示される予定だ。また、ライブラリースペースや、閉館後のステイプログラム、カフェやミュージアムショップなども併設される予定。多様な世代が国境を越えてアクセスできる空間を目指しており、ワークショップなどの社会的な取り組みも積極的に行っていくという。
多様なコラボレーションによる新たな美術館体験
美術館の設立・運営に際しては、アジアやその他地域の様々な団体や個人とのコラボレーションを予定している。アンドラ・マティンによる建築は、Eugeneのコンセプトを解釈し、バリの伝統的な哲学と文化を融合させたものとなっている。
Eugene Museum in Baliが目指すもの
「Eugene Museum in Bali」は、アートを通して世界の人々にインスピレーションを与え、新たな文化交流を生み出すことを目指している。自然と文化が調和した空間で、子供から大人までが楽しめる、新しい美術館体験を提供していく。
開館に向けた準備
美術館の建設は順調に進められており、2025年には近隣地域へ住む方々へ向けた限定公開を行う予定だ。2026年には一般公開される。
寒川裕人からのメッセージ
寒川裕人は、「支援して頂いた様々な国や地域の人々に感謝しています。巡回展の枠組みを超えて、常設美術館となったことは光栄です。アジアはますます洗練されています。その中で、古代から存在する自然と哲学に溢れる場所があります。本美術館が位置するこの新しい都市を初めて訪れたとき、次世代に必要な体験の重要性を感じたのを鮮明に覚えています。この都市全体の取り組みと私や私たちが行ってきたことは、同じ時代に自然発生したと言えます。インドネシアの友人との会話はいつも非常に楽しく、数年前、『ヌサンタラ』という言葉に出会いました。この言葉は『群島』を意味します。矛盾があっても一緒にいるという姿、本当の共生。この考えが重要だと感じました。実際、世界もまた群島です。この言葉の理解を深めるために時間をかけるつもりです。何よりも、アンドラとのコラボレーションに非常に興奮しています。彼の建築は、伝統と現代の洗練された融合によって魅了されます。最も重要なのは、彼の人格によって生み出される細部と深さです。この環境でしか達成できないアプローチを探求し、建築を一つの統一されたアート作品にすることを目指しています。私はいつも通り作品を作り続けることしかできません。社会とアートの状態は将来的に大きく変わるでしょう。テクノロジーとビジネスだけでは世界は良くなりませんでした。哲学と体験、その両方が必要です。訪れる人々の中でただ一人でも何かを考えるきっかけを持って頂けることができれば、それが世界を変えることにつながるかもしれません。」とコメントしている。
新しい文化拠点としての期待
「Eugene Museum in Bali」は、アートを通して世界の人々にインスピレーションを与え、新たな文化交流を生み出すことを目指している。自然と文化が調和した空間で、子供から大人までが楽しめる、新しい美術館体験を提供していく。今後の展開に注目したい。