道家哲平氏が日本人初のNbSプロフェッショナル資格を取得
公益財団法人日本自然保護協会(NACS-J)の国際担当、道家哲平(どうけ・てっぺい)氏が、日本人として初めて「Nature-based Solutions(NbS)プロフェッショナル」の資格を取得しました。これは、国際自然保護連合(IUCN)が認定するもので、自然に基づいた解決策に関する専門的な知識と技術を持つことが求められます。
NbSプロフェッショナルとは?
NbSプロフェッショナルは、IUCNのグローバルスタンダードに基づき、自然を利用した課題解決に貢献する専門家に与えられる資格です。2021年から始まったこのプログラムには、これまで約200人が参加し、道家氏はその中で日本人として初の学びを得ました。
同資格は、自然環境と人間の幸福の両立を図るためのアプローチを理解し、それに基づいて適切な行動を講じられる能力を認証するものです。つまり、生物多様性の保護や気候変動への適応策として、自然をどのように活用すればよいかを学び、その実践を促進するための力を授けられたことを意味します。
日本におけるNbSの重要性
IUCNはNbSを「自然や人によって改変された生態系を適切に管理し、保護する行動」と定義しています。この考えは、生物多様性条約や気候変動枠組み条約の中で重要な位置を占めています。近年、日本でも企業や自治体によるNbSの取り組みが始まっており、たとえば東京都では「Tokyo-NbSアクション」として、人間の幸せと生物多様性の両方を重視したプロジェクトが進められています。
NACS-Jは自然環境の保全を通じて気候変動の緩和や地域活性化に貢献するため、NbSの普及を積極的に進めてきました。道家氏が参加している「みなかみネイチャーポジティブプロジェクト」でも、NbSを実践の中心に据えています。
資格取得を通じた道家氏の抱負
道家氏は、研修を通じて、世界中のさまざまな機関から集まったNGOや企業、国際機関で働く人々との交流を重視しており、自然を基盤とした解決策に対する国際的な関心が高まっていることを実感したと語っています。取得した知識を生かし、日本国内でのNbSの推進に寄与していく意向を示しています。
NACS-Jについて
日本自然保護協会は1951年に設立され、日本で最も古い自然保護団体の一つです。これまでに尾瀬、屋久島、小笠原、白神山地などで自然保護の活動を行い、世界自然遺産登録への道を拓いてきました。「自然の力で、明日をひらく。」というメッセージのもと、すべての世代が豊かな自然環境で生活できる社会を目指しています。日本全国での調査、保護、活用のための活動を展開しています。
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