インテルが発表した最新戦略と製造技術の進展情報まとめ
インテルのファウンドリー戦略と製造技術の最新情報
2025年4月29日、カリフォルニア州サンノゼで開催された「Intel Foundry Direct Connect」において、インテルは同社の先進的なプロセス技術とパッケージング技術の最新の進展を発表しました。これにより、業界のパートナーとの協業を強化し、顧客のイノベーションを促進するための新たなエコシステム・プログラムが設立されました。
イベントのオープニングでは、インテルのCEOリップブー・タン氏がファウンドリー戦略の優先事項を説明しました。彼は、インテルの技術力を活かし、顧客に対して革新的なソリューションを提供することを目指していると強調しました。また、基調講演では、インテルの主席副社長であるナガ・チャンドラセカラン氏とケビン・オバックリー氏がそれぞれプロセス技術やパッケージング技術の最新情報について詳しく解説しました。
プロセス技術の進展
インテルファウンドリーは、次世代のプロセス技術として、Intel 18Aの後継にあたるIntel 14Aプロセス技術の開発を進めています。この新技術は、主要顧客との連携を通じてテスト用チップの構築に向けた準備を進めています。そしてさらに、この14Aプロセスでは、バックサイド給電技術の「PowerVia」を基にした「PowerDirect」という新しい給電技術を採用する予定です。これによりより効率的な電力供給が可能になることが期待されています。
現在、Intel 18Aはリスク生産のフェーズに入っており、年内に量産を開始する予定です。複数のエコシステム・パートナーもこの技術に対応した設計準備を進めており、これまでのノード・スケーリング技術を超える進展が期待されています。
先端パッケージング技術
続いて、先端パッケージ技術においては、インテルファウンドリーはFoveros DirectやEMIB(エンベデッド・マルチダイ・インターコネクト・ブリッジ)のような新技術を導入しています。これにより、システムレベルでの統合が実現され、新たな顧客ニーズに応じた柔軟な設計が可能となります。
特に、最近ではアムコールテクノロジーと提携し、独自のパッケージ技術を提供しています。これにより、インテルは顧客にとっての最適なパッケージングソリューションを提供できるようになるでしょう。
製造体制の確立
アメリカのアリゾナ州にあるFab 52では、全製造工程の調整が完了し、初のウェハー処理も行われました。この製造施設ではIntel 18Aの生産体制が整い、オレゴン州とアリゾナ州の製造施設で年内に初の量産を開始する予定です。
製造のすべてが米国内で完結することが強調されており、これによりインテルは国内の半導体市場での競争力を高めることが期待されています。
エコシステムの強化
インテルファウンドリーのエコシステム・プログラムも進化しています。「Intel Foundry’s Accelerator Alliance」に新たなチップレットおよびバリューチェーンプログラムが追加され、多様なパートナーと連携した取り組みが進行中です。この新プログラムは特に政府向けアプリケーションや法人市場にフォーカスしたものとなっています。
結論として、インテルは最先端のプロセス技術とパッケージング技術を駆使し、業界全体の進化に貢献しようとしています。顧客との信頼関係を築きながら、製造能力を強化し、技術革新を進める姿勢が伺える発表だったと言えるでしょう。
会社情報
- 会社名
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インテル株式会社
- 住所
- 東京都千代田区丸の内 3 丁目 1 番 1 号国際ビル 5 階
- 電話番号
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