国産メンマの新しい挑戦
近年、日本で流通するメンマの99%以上が輸入品であるという現状は、多くの人にとって常識となっています。しかし、この常識を変えようと挑戦している企業があります。福岡県糸島市に本社を置く株式会社竹次郎は、放置竹林から有用な資源を生み出し、国産メンマの製造に乗り出しました。2026年度の活動の中で、同社は約6万本の幼竹を伐採し、約125トンの塩漬け原料を確保。これにより、国内最大級の国産メンマ供給体制を構築しました。
放置竹林を資源に変える
放置竹林は日本各地で問題視されています。竹は急速に成長し、適切に管理されないと森林を侵食し、土砂災害の危険や生態系への影響を及ぼす恐れがあります。竹次郎はこの問題に目を向け、放置竹林の幼竹を国産メンマの製造に活用。竹林の整備を地域の産業化に繋げることで、環境問題を解決しつつ地域経済を活性化させる新たな取り組みとして「糸島モデル」を展開しています。
大規模な共同プロジェクト
2026年4月21日から5月11日の約3週間、竹の最適な成長時期を見極めながら集中して収穫と加工を行い、約500人の地域住民や生産者、学生、企業、行政が参加しました。この規模のイベントは、国内での国産メンマ生産において未曾有のプロジェクトとなりました。伐採した竹は、約240ヘクタールの管理された竹林地から集められ、結果として日本のための重要な食材の基盤を築くことに成功しました。
「糸島モデル」の広がり
竹次郎では、糸島市で確立したこのプロジェクトを「糸島モデル」として全国に展開する計画があります。現在、全国35都道府県の生産者や団体と連携し、放置竹林の整備を進めており、地域に新たな雇用を生む取り組みを支援しています。今後は、一次加工技術や運営ノウハウを地域ごとに提供し、それぞれの地域の特性に合わせた産業作りを目指しています。
代表取締役古賀貴大の思い
「放置竹林は全国共通の課題です。私たちは竹を伐採して終わりではなく、地域の資源として価値あるものにしたいと考えています。」と古賀貴大代表取締役は語ります。輸入メンマに依存する現状を変え、国内で生まれた竹を用いた国産メンマを作ることで、環境問題の解決と地域経済の活性化を両立する新しい産業モデルを育てていく意気込みを示しました。
今後の展望と目標
竹次郎は、2027年度までに国産メンマの原料500トン体制を確立し、放置竹林のさらなる整備を進めることを目指しています。全国への供給体制を強化し、「糸島モデル」を各地に広げることで、放置竹林を地域資源として活用し、未来につなげる新たな産業を築いていきます。地域循環モデルを実現することで、持続可能な社会と地域経済の活性化へ貢献することを目指しています。