農福連携の新たな取り組みが評価された岐阜の特別支援学校
2024年1月、岐阜県立岐阜本巣特別支援学校がタカノ株式会社と共に推進する「高嶺ルビー」栽培プロジェクトがノウフク・アワード2024でフレッシュ賞を受賞しました。この取り組みは、生徒の社会参画を促進するとともに、地域農業の活性化にも寄与しており、地域に大きな波及効果をもたらしています。
高嶺ルビーとは
高嶺ルビーは、タカノ株式会社と信州大学が長年にわたって共同研究を行い、ヒマラヤ高地に自生する赤い花を持つソバを日本の気候に適応させて品種改良したものです。毎年の秋には一面に赤い花が映え、地域の景観を華やかに彩ります。最近では、このソバを基にした新しい特産品としても好評を博しています。
プロジェクトの進展
このプロジェクトは2023年5月に松尾教諭の提案から始まりました。9月にはタカノが提供した種を用いて学校敷地内での試験栽培がスタートし、10月には生徒たちが実際に農作業を体験しました。そして12月には、15kgの収穫を達成しました。
2024年には地元企業の協力も得て、乾そば商品が誕生し生徒たちが関わったプロジェクトの手応えを感じています。このような体験を通じて、生徒たちは実践的な知識と技能を培うだけでなく、自信ももつことができました。
生徒・教師の声
松尾教諭は、「特別支援学校の生徒たちが農福連携の活動の中心になれるように、タカノが最初から協力してくれた」と語りました。生徒たちも「この種が本当にソバになるの?」という疑問から始まり、「うわー綺麗!」とその美しさに感動を示し、「美味しい!上品な味だ!」と試食を楽しむ姿が見られました。
今後の展望
今後、滋賀県内の蕎麦屋で特色ある玄ソバとして販売し、さらなる地域との連携を強化する予定です。このプロジェクトを継続することで、生徒たちは農業の楽しさや挑戦を学びながら、将来的には農業で働く選択肢を得られる可能性があります。農福連携の有効性を証明するプロジェクトとして、今後の展開にも期待がかかります。
ノウフク・アワードとは
ノウフク・アワードは農業と福祉の連携を通じて、地域社会における新たな価値を創造する優れた事例を広く表彰するアワードです。この活動は高齢化社会の中で新しい働き手を確保し、地域コミュニティの持続可能な発展を目指す重要な取り組みとなっています。
このように、岐阜県立岐阜本巣特別支援学校とタカノの活動は、実践的な農福連携のモデルケースとして、多くの人々に勇気と希望を与える過程となることでしょう。