個人データの新時代
2020-08-26 11:10:04
個人データ管理の未来を変える!北大発ベンチャーの新特許取得
個人データ管理の新時代への一歩
北海道大学発のベンチャー企業、ミルウスが日米で取得した特許は、個人データの改竄や流出を防ぐ新しいアプローチを提供します。近年、スマートフォンやセンサー技術の進化によって、私たちの生活情報や医療データは日々蓄積されています。これらのデータは生活習慣病の予防や個別化医療、感染症対策など、様々な分野での活用が期待されていますが、一方でプライバシーの懸念も増しています。多くの人が、自分の個人データがどのように使われるのか、データのセキュリティについて不安を抱いていることは事実です。
そこで注目されるのが「パーソナルデータストレージ(PDS)」です。このシステムは、個人が自分のデータを主体的に管理し、安全に保管できる仕組みを提供します。しかし、これにはいくつかの課題があることも明らかです。
直面している課題
1. データの改竄:人間の心理として、自身が損をしないために、健康に関するデータを意図的に改竄する可能性があります。例えば、保険サービスでの利益を得るために、実際の健康状態を偽ることが考えられます。
2. データの一人歩き:PDSに保存されたデータを第三者が利用する際、一旦手を離れたデータがどのように使われるかは個人の管理を超えてしまいます。そのため、特にプライバシー性の高いデータの運命に不安を感じる人が多いのです。
新しい特許技術のメリット
ミルウスの特許は、以上の課題を解決するために開発された技術です。
1. 改竄防止機能
個人データがスマホによって取得される際、同時にデータの指紋としてのハッシュ値が計算され、これを秘密鍵で暗号化し電子署名を生成します。この電子署名は各データに付与され、PDSに保存されます。これにより、データがどのように利用されたか、改竄されていないかを第三者が確認できる仕組みを提供し、安心してデータ利用が可能になります。
2. 一人歩きの抑止
データを活用する際、データ所有者は秘匿レベルを設定でき、その設定に応じた情報のみが提供されるため、データの無断利用から自分を守ることができます。さらに、受信側のソフトウエアには改竄検出機能が搭載されており、改竄が発見された場合には、データが削除されたり、関係者に通知される等の措置が取られます。
実現の可能性と今後の展開
この特許技術は、遠隔医療や生活習慣病予防、感染症対策などに応用可能です。普段は個人のPDSにデータを保存し、必要な情報だけを医療機関や情報銀行に提供することで、個人の特性に応じたサービスを受けることが促進されます。また、日常生活でのデータ提供を奨励するためには、安心できるシステムの確立が必要です。
今後、ミルウスはこの特許技術の普及を目指し、自治体や健康サービス企業との連携を進めていく予定です。データ管理の新たな基準が確立されれば、より多くの人々が安心して個人データを提供できる環境が整うことでしょう。
まとめ
個人データの安全な管理は、今後ますます重要な課題となります。ミルウスが開発した新しい特許技術は、個人が安心してデータを管理し、活用できる未来を描いています。これによって、個人のプライバシーを守りながら、医療や生活の質向上を図ることができる可能性が広がります。
会社情報
- 会社名
-
株式会社 ミルウス
- 住所
- 札幌市北区北21条西12丁目2 北大ビジネス・スプリング209
- 電話番号
-
090-8465-5310