京都大学発スタートアップが挑む未来の電力供給技術
2025年11月19日から21日の間、東京ビッグサイトで行われるIIFES2025にて、京都大学発のスタートアップ企業、株式会社Space Power Technologies(以下、SPT)が注目の展示を行います。この展示では、1メートルの距離で数ワット級の電力を伝送できる革新的なマイクロ波ワイヤレス給電システムが実演される予定です。今回の技術は、製造業において直面する電力供給のボトルネックを解決し、さらなる生産性向上に寄与するものと期待されています。
製造現場が抱える課題
近年、製造業やプラント事業者は、競争力の強化や AI の導入、少子高齢化による人手不足など、さまざまな課題に直面しています。特に製造現場では、IoT化やデータ活用を進めるためのセンサーネットワークが必要不可欠です。しかし、後付けのセンサに必要な配線工事は時間とコストがかかり、電池の保守管理も人件費の増加につながることが多いのです。また、可動体への電力供給もケーブルの干渉によって制約を受けることがあり、これらすべてがデジタルトランスフォーメーション(DX)を妨げる要因となっています。これを解決するために、フルワイヤレス化やケーブルレス化が求められています。
SPTの革新的技術:マイクロ波ワイヤレス給電
SPTが開発した空間伝送型ワイヤレス給電技術は、マイクロ波を使用して空気を通じて電力を伝送するという新しいアプローチです。この技術には、以下のような特長があります。
- - 長距離伝送:数メートルの距離でも安定した給電が可能です。
- - 高出力と高効率:独自の設計により、従来技術と比較して約2,400倍の電力供給能力を持っています。
- - 安全性の確保:電波法に基づいた安全な運用が可能です。展示では、透明な電磁波シールドフィルムで囲われたアクリルケースを用いるので、人体への影響を心配することなく見学できます。
この技術により、製造業の現場における電源ケーブルの制約が取り払われ、これまで不可能だった場所や可動体への電力供給が実現します。
導入効果と期待される未来
SPTの技術を導入することで、以下のような効果が期待されます。
- - レイアウトの自由化:ケーブルレス化を通じて、生産ラインの再構成が容易になります。
- - 稼働率の向上:バッテリー交換が不要となり、稼働停止時間を大幅に削減できます。
- - 保守負担の軽減:シンプルな給電インフラが、メンテナンスコストを抑えることに寄与します。
- - IoT活用の加速:センサーや無線機器を電力の制約なく自由に増設できるようになります。
IIFES2025の出展概要
- - 展示会名: IIFES2025(Innovative Industry Fair for E x Smart)
- - 公式サイト: IIFES公式サイト
- - 会期: 2025年11月19日(水)〜21日(金)
- - 会場: 東京ビッグサイト、小間番号5-55
会社概要
株式会社Space Power Technologiesは、2019年に設立され、空間伝送型ワイヤレス給電システムの開発・製造・販売を手掛けています。所在地は京都市西京区で、公式ホームページは
こちらです。
本件に関するお問い合わせは、SPTの事業開発部まで。電話075-925-8841、E-mail:
[email protected] をご利用ください。