ヤギ飼いの日常を描いた傑作
株式会社山と溪谷社が新たに発刊した『私はヤギになりたいヤギ飼い十二カ月』は、著者の内澤旬子が自身のヤギ飼い体験を豊富なイラストと共に伝える作品です。この本は、ヤギたちと過ごす四季折々の様子を通じて、彼女の日常やヤギとのユニークな関係を描いています。
ヤギとの暮らしの1年間
この書籍は、四月から三月までの12ヶ月にわたる物語を含み、それぞれの月ごとの出来事を積み重ねています。四月には、ヤギたちが元気に草を食べる姿が描かれ、五月には新緑の中での嬉しいご馳走が登場します。次第に気温が上がり、夏になると、彼女は酷暑と虫との戦いに明け暮れることになります。特にその様子は、笑いを誘うタッチで表現されています。
季節ごとのサイクル
秋になると、ヤギたちの発情祭りが描かれ、冬には干し草作りに奮闘。また冬は、ヤギたちと共に過ごす温かさや愛おしさも強調され、時には苦労の中から生まれる喜びが表現されています。著者は、季節の移り変わりとともに、ヤギのお世話をしながら感じた思いや気遣いを綴っており、読む人に温かい感情を呼び起こします。
内澤旬子のプロフィール
内澤旬子は1967年生まれで、神奈川県を拠点にする文筆家、イラストレーターとして活動してきました。彼女は『身体のいいなり』で講談社エッセイ賞を受賞しており、さまざまな著作を発表しています。2014年に小豆島に移住し、現在はヤギや他の動物たちと共に豊かな生活を送っている姿が、本書にも色濃く反映されています。
読者へのメッセージ
『私はヤギになりたいヤギ飼い十二カ月』は、ヤギとの日常を通じて、自然とのふれあいや生き物との暮らしの価値について考えさせてくれる一冊です。私たちが普段忘れがちな自然の大切さや、生活を共にする生き物との関係について深く考えさせられます。読者は、この作品を通じて、ヤギたちの愛らしい行動や、著者の心温まる物語に触れることで、心の栄養を得られることでしょう。
ぜひ手に取って、温かいヤギたちとの触れ合いを感じてみてください。