認知症との共生社会をデザインする探究学習プログラムの実施
特定非営利活動法人イシュープラスデザイン、ドルトン東京学園、そしてNTT東日本の3団体が連携し、認知症について深く理解するための探究学習プログラムが開催されました。このプログラムの目的は、次世代を担う若者たちに認知症に関する知識を身につけてもらい、社会全体での理解を促進することです。
バックグラウンドと目的
日本における高齢化が進み、認知症はますます多くの人々に影響を及ぼしています。65歳以上の約6人に1人が認知症を患っている現状で、認知症患者へのケアは家族や介護職員にとって大きな負担となっています。そのため、社会全体で認知症に対する理解を深め、共生できる環境を整えることが必要です。
イシュープラスデザインは、地域の課題をクリエイティブに解決し、安心して暮らすことができる社会をデザイン思考によって実現しようとしています。一方、ドルトン東京学園は学びを通じて自分で考え、行動することの重要性を教えています。
このような背景をもとに、NTT東日本の地域循環型社会の共創というビジョンの下、探究学習プログラムが始まりました。
プログラム概要
プログラムは2回に分けて実施され、参画する生徒たちが認知症の方の体験を深く理解し、共生社会を構築するための具体的なアイデアを考えます。
- - 第1回: 認知症の方の視点を体験するため、270度シアターでストーリー動画を視聴し、その後、グループワークとして認知症に関するトラブルを推理し、解決策を立案します。
- - 第2回: ケーススタディのディスカッションを通じて、解決すべき問題を個々で考えた後、アイデアを発表する機会が与えられます。さらにNTTのビジネスに関する知見も加え、より質の高い解決策を模索します。
参加対象者
このプログラムには、ドルトン東京学園の中学2年生120名が参加し、実際の課題に取り組むことで認知症に対する新たな視点を得ることが期待されています。
参加者の反応
プログラム終了後のアンケートでは、参加者の約95%がプログラムに満足しており、認知症に対する興味や関心が高まったと答えています。また、「認知症についての理解が深まった」「向き合う姿勢が変わった」との声も多く、その効果は大いに示されました。
今後の展開
2025年度には、このプログラムの成果をもとに他の学校への導入を進め、共生社会の実現に向けた取り組みを拡充させる計画です。また、それに合わせてコンテンツの拡充や、映画制作など新たな試みも考えています。社会全体に広がる可能性を秘めたこのプログラムは、将来的には国際的な認知症観の変革へとつながることを目指しています。
各社の役割
- - issue+design: 授業プログラムの設計やライセンス提供を行い、教育現場での実践を支援。
- - ドルトン東京学園: 生徒の主体的な学びを促進する授業プログラムを設計。
- - NTT東日本: デジタル技術を活用し、プログラムの運営や展開に寄与。
この探究学習プログラムが、未来の認知症理解にどのように寄与していくのか、注目が高まります。