就労支援サービスの成果を可視化する新データセットの展開
ミーカンパニー株式会社は今月、障害福祉の就労支援サービスにおける業績と経済的実態を明確に示す「定着者数・移行率データセット」および「就労系報酬データセット」の提供を開始した。このデータセットは、障害者の雇用支援において重要な役割を果たすもので、都道府県別や法人別に分析できる構造化されたデータを含んでいる。
背景と目的
近年、障害者の就労者数は増加しており、企業側の雇用ニーズも高まっています。これに伴い、就労支援サービスの利用者も増えてきました。しかし、就業後に離職するケースが多く、定着率においては課題が残っています。たとえば、一般就労を遂げた後、6か月から1年で離職することが多いのです。また、B型事業所においては、平均的な月収が17,000円程度であり、経済的自立にはほど遠い状況です。地域別、法人別に見るとその成果に大きなばらつきが見られ、以前からこうした支援成果を示す統一されたデータは存在しませんでした。
SCUELは、現場の声を反映し「支援のその後」を見える化できるデータ基盤を構築しました。これにより、多くの障害者雇用支援企業や自治体、研究機関などにとって有意義な情報が提供されます。
提供されるデータセットの詳細
ミーカンパニーの提供するデータセットは主に2つのタイプに分かれています。まず、「定着者数データセット」では、一般就労へ移行した後にどれだけ働き続けているのかを把握できます。このデータでは、年度ごとの移行者数とその定着率が分かり、サービスの種類や法人、都道府県別に分析することが可能です。
次に「就労系報酬データセット」では、支援の利用が経済的自立にどれだけ貢献しているかを比較できます。A型支援では平均賃金、B型支援では平均工賃に関する詳細なデータが含まれています。これにより、地域や法人の収支状況などを詳しく知ることができます。
社会的意義と活用シーン
今回のデータセットは、障害者雇用支援法人や自治体、研究機関など、さまざまな組織にとって重要な資料となります。特に、就労支援法人は、拠点ごとの成果比較や支援の質向上、職員評価基準の設計に役立てることができます。自治体や行政も、このデータを使って地域間の格差を是正し、助成政策や報酬設計に必要なエビデンスを提供できます。
また、政策立案や研究機関では、定着率や報酬水準に基づいて制度改正や事業評価を行う際にも非常に有用です。
無料レポートと今後の展望
さらに、ミーカンパニーでは、就労支援の種類別に定着カーブや移行率を示す無料レポートも提供しています。これをダウンロードすることで、支援の成果傾向を即座に把握することができます。今後もSCUELは、障害福祉、医療、介護関連のデータを横断的に収集し、情報の透明性と質の向上を目指していくことでしょう。