GCLシステム・インテグレーションが日本市場へ進出
世界的に名高い太陽電池シリコン素材の製造を手掛けるGCLシステム・インテグレーション(以下、GCLSI)が、日本市場に本格的に進出することを発表しました。これは、2016年に東京ビッグサイトで開催された国際商談展「PV EXPO 2016 ~第9回[国際]太陽電池展~」での発表によるものです。
GCLグループは、原料製造を行うGCL-Poly、太陽光発電モジュールを製造するGCLSI、発電所事業を担うGCLエナジーの三つの企業から成り立っています。この構造を活かし、製造から発電に至るまで、一貫したエネルギーソリューションを提供できるのが同社の強みと言えます。
GCLSIの戦略と市場評価
GCLSI社長、鄭 家鎮氏は「日本市場には、メガソーラー建設及び住宅用発電市場にさらに成長の余地がある」と述べています。また、電力自由化の進展により、多種多様な企業が電力販売に注力している点を挙げ、この新たな市場に対する期待を示しました。後発ではありますが、トータル的なエネルギーソリューションの提供を通じて競争力を策定する意欲を示しています。
日本法人設立計画
同社は、日本市場でのサービス提供を迅速に進めるため、2016年4月に日本法人の設立を決定。設立当初は小規模で始め、国内の電池メーカーや他のパートナーとの連携を求めていく方針です。この新法人の設立により、日本の需要に応じたスピーディーな対応が可能になり、進出の加速が期待されています。
超高効率モジュール「GCLキングコングシリーズ」の登場
GCLは、最新の技術開発によって「GCLキングコングシリーズ」という高効率モジュールを市場に投入予定です。これには、HJTセルやN型単結晶の両面型セルモジュールが含まれています。このシリーズは、モジュール効率が従来製品よりも10%以上向上しており、発電効率の向上と同時に、配線損失も低減する設計となっています。
GCLキングコングシリーズの特徴
- - 出力: 320~335W
- - 効率: 最大モジュール効率17.3%
- - サイズ: 1945x1020x40mm、重量21.5kg
- - 構造: 標準的な156mmのレーザーカット方式を採用し、ハーフピース構成で電力損失を低下させています。
- - 用途: 大規模な地表発電施設に最適で、砂塵や酸、塩基類に対しても高い耐性を有します。
GCLについて
GCLシステム・インテグレーションは、エネルギーシステムのインテグレーターとしての役割を果たし、特に太陽光発電における新たな技術革新への貢献が期待されています。2014年に中国太陽電池メーカー「上海超日太陽能科技」を買収したことが大きな転機となり、その後の急速な業績回復につながりました。2016年は特に海外市場、特に日本市場でのさらなるビジネス拡大が計画されています。
GCLの日本市場進出は、太陽光エネルギー分野において新たな風をもたらす可能性があり、競争が激化する中での動向にはますます注目が集まっています。