企業開示関連のルール改正に関する金融庁の新施策について
企業開示関連のルール改正に関する金融庁の新施策について
2024年11月26日、金融庁が発表した「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(案)について、その詳細を見ていきましょう。この改正は、企業のサステナビリティ開示の強化を目指すものであり、関連するパブリックコメントの実施も併せて行います。
1. 改正の概要
サステナビリティ開示基準の適用開始に向けた環境整備
令和7年7月に公表された金融審議会の報告を受けて、2025年3月期から時価総額が一定額を超える企業に対しサステナビリティ開示基準の適用を義務付ける方針が定められました。そのために、企業開示に関する内閣府令及びガイドラインが見直されます。
サステナビリティ情報の開示義務
金融庁長官が指定した取引所に上場している、平均時価総額が1兆円以上の企業は、サステナビリティ情報を有価証券報告書などに記載する必要があります。この基準は、令和9年に開始される予定です。これにより、企業はサステナビリティに関する詳細な情報を提供し、投資家や関係者との信頼を築くことを求められます。
二段階開示の可能性
新設される開示基準の適用により、一定の条件のもとでサステナビリティ関連事項の初回の報告を次期まで繰り延べることができ、これを二段階開示と呼びます。これにより、企業は急激な変更に対応しやすくなるでしょう。
人的資本開示に関する制度見直し
人的資本についても開示の強化が図られ、企業は人材戦略とそれに基づく従業員への報酬の決定方針を示す必要があります。また、従業員の平均給与の前年比の増減率なども新たに開示項目に追加されます。このように、人的資本に対する透明性を確保することで、企業の信頼性が高まることが期待されます。
総会前開示への対応
株主総会前に有価証券報告書の情報を開示する際、特定の条件下で記載事項の一部を省略することが可能になります。これにより、企業の開示負担が軽減され、よりスムーズな情報提供が実現できると考えられます。
2. パブリックコメントの実施
この改正案に対する意見募集が行われ、提出期限は令和7年12月26日までとなっています。意見は郵送または指定のウェブサイトを通じて提出できますが、電話での意見表明は受け付けないことになっています。
(1)意見提出の方法
意見を送る際は、氏名、職業、連絡先、意見内容を明記する必要があります。また、匿名希望の場合はその旨を事前に記載する必要があります。
(2)個別の回答がないことの御了承
提出された意見に対して個別に回答することはなく、必要に応じて開示される予定です。
3. 今後の展望
この改正は、企業に対する情報開示の透明性を高め、より持続可能な成長へ向けた強力な基盤をつくることを目的としています。今後の企業の取り組みとその変化を注視していくことが重要です。特に、サステナブルな経営を進める企業にとってこうした開示基準がどのように影響を与えるかは、経済全体にも大きな波及効果をもたらすことでしょう。
新たな開示基準の適用を前に、企業の姿勢がいかに変わるのか。そして、それがどのように投資家との関係に反映されるのか、今後の動きに期待が寄せられます。