アリババクラウド、新世代AIの戦略を発表し業界リーダーシップを強化
アリババグループのデジタルテクノロジーを牽引するアリババクラウドが、杭州にて開催された年次テクノロジーカンファレンス「Apsara Conference 2025」で、新たなAIイノベーションの戦略を発表しました。この発表では、次代のAI技術に依存し、次世代の大規模言語モデル「Qwen3」、改良された画像生成モデル「Wan2.5」、さらにはエージェント開発プラットフォームの拡張を行いました。これにより、アリババクラウドは新しいAI時代においての位置づけを更に強固にしました。
アリババクラウドの会長でありCEOの呉 泳銘(エディー・ウー)は基調講演において、AIがますますデバイスに深く組み込まれ、オペレーティングシステムに似た役割を果たしていくと語りました。これには、持続可能なメモリーやクラウド、エッジの統合などの機能が盛り込まれており、開発者が独創的なAIアプリケーションを構築しやすくなることを目指しています。
次世代AIモデルの進展
アリババはこれまでに、300を超えるAIモデルをオープンソース化し、これらのモデルは全世界で6億回以上ダウンロードされています。特に、Qwenファミリーは最も広く採用されており、100万を超える利用者がアリババのAI開発プラットフォーム「Model Studio」を利用しています。このプラットフォームでは、Qwen3-Maxという1兆以上のパラメータを持つ大規模言語モデルが発表され、特にコード生成やエージェント機能の面で優れた性能を示しています。
さらに、カンファレンスではQwen3-VLと呼ばれるビジュン・言語モデルも紹介され、これにより視覚的な情報処理が強化され、例えば画像や動画から直接プログラムを生成する機能が実現されました。また、Qwen3-Omniモデルはマルチモーダルに対応しており、テキスト、音声、画像の処理を統合的に行う能力があります。
AIエージェント開発の新たな土台
アリババクラウドの新しい開発フレームワーク「Model Studio-ADK」によって、企業向けに特化した複雑なエージェントロジックの迅速な開発が可能となりました。このツールを使用することで、エージェントを迅速に構築し、業務の自動化や効率化が進みます。これらは特に、ビジネス要件を迅速に満たすことができ、AI導入のハードルを下げる役割を果たしています。
加えて、アリババはエージェントAIを支えるインフラ整備を行っており、ストレージ、ネットワーク、セキュリティなどの各分野で強化が進んでいます。これにより、AI技術の導入が一層進化し、企業はより高速かつ安全にAIを活用できる環境が整いました。
結論
アリババクラウドが示すAIに対する投資とコミットメントは、業界におけるリーダーシップを強化し、開発者や企業に新たな可能性を提供するでしょう。特に、今後3年間で3,800億人民元規模のAIおよびクラウドインフラへの投資計画は、その意欲を裏付ける重要なステップです。これにより、アリババクラウドは新しいAI時代の最前線で、革新的なソリューションを提供していくことでしょう。