救急医療の未来を切り開く「Than救システム」
2025年10月1日から、宇部・山陽小野田消防組合はTXP Medicalが提供する救急医療情報システム「NSER mobile」を活用した「Than救システム事業」を開始します。この新しいプロジェクトは、救急搬送のさらなる迅速化と効率化を目指しています。
逼迫する救急医療体制の背景
令和5年、宇部市と山陽小野田市圏内での救急出動件数は11,654件に達し、過去最高記録を更新しました。令和6年も依然として出動件数は高止まりし、出動から病院到着までの平均時間は51.2分にまで延びています。このような救急医療の逼迫状況を受けて、救急隊と医療機関の連携を強化するための新たな体制が必要とされています。また、医師の働き方改革が進行中で、救急医療を担う医師の確保課題も浮上しています。
Than救システムの目的
この新システムの導入により、最適な医療機関への搬送を促進し、搬送困難事例の減少を図ります。本事業は、過去に実施した実証実験の成功を基に正規運用が行われます。
- - 救急隊の役割: 患者の正確な情報を迅速に医療機関に伝達。
- - 医療機関の役割: 受け入れ判断を迅速かつ正確に行い、診断準備を開始。
これにより、宇部市、山陽小野田市の救急隊と医療機関は、地域全体の医療体制の連携を強化し、迅速かつ的確な医療提供を実現します。
参加医療機関の概要
このプロジェクトには27の医療機関が参画しており、山口県内の救命救急センターも3つ含まれています。具体的には、山口大学医学部附属病院、山口県立総合医療センター、関門医療センターなどが協力します。
NSER mobileの仕組み
TXP Medicalが開発した「NSER mobile」は、救急隊と医療機関間の情報共有をデジタル化し、救急搬送状況の可視化や適正化を図るプラットフォームです。これにより、患者の状態や受け入れ状況をリアルタイムで把握することが可能です。
未来の救急医療に向けて
このシステムの導入は、単に効率化を目指すだけでなく、地域住民が安心して生活できる環境を整えるためのものです。医療機関間のネットワークを広げ、適切な病院への迅速な搬送が可能となることで、多くの命を救うことに繋がるでしょう。
TXP Medicalは今後も「医療データで命を救う」というミッションを掲げ、次世代の医療インフラを築いていくことで、全国的な医療の向上に寄与していくことを目指しています。