TXP Medicalの『ICU Bridge』がインドネシアで正式導入
TXP Medical株式会社は、集中治療室(ICU)向けの革新的なソリューション『ICU Bridge』をインドネシア公立大学病院であるRumah Sakit Universitas Indonesia(RSUI)に導入しました。これは、同医院における実証実験を経た後の正式な導入開始です。インドネシアの医療事情に即したこのシステムは、多くの公立病院で病院情報システムの導入が遅れている現状を打破する一歩となることが期待されます。
導入の背景
近年、インドネシアでは特に私立病院で病院情報システムの導入が進んでいますが、一方で公立病院や集中治療室は依然として古い運営方法にとどまっています。ICUでは多くの医療機器が利用されるため、電子カルテと連携することが求められていますが、コストの問題から導入が進まずにいました。
『ICU Bridge』の特徴
『ICU Bridge』は、患者情報の一元管理を実現することで、医療スタッフが迅速かつ正確に患者の状態を確認できる仕組みです。具体的には、スマートフォンのAI-OCR技術を利用し、バイタルサインモニターや臨床検査結果を簡単に登録できます。この仕組みのおかげで、自動的にデータがシステムに反映され、作業効率が大幅に向上します。特に、精度検証の結果では、95%以上の精度が確認されています。
実証実験の経過
RSUIでは、医療スタッフの手書き記録が依然として業務の負担の大部分を占めていました。そこで『ICU Bridge』の導入により、これらの業務をデジタル化することが求められました。2024年10月より開始した実証実験では、バイタルサインの記録作業において、従来の紙ベースからAI-OCRを活用した方法に切り替えることで、約55%の作業時間短縮を達成しました。これにより医療スタッフの負担軽減が期待されています。
導入医院からの期待の声
Rumah Sakit Universitas Indonesiaの院長であるDr. Rakhmad Hidayat氏は、『ICU Bridge』が医療スタッフの業務負荷を軽減することで、重症患者の生存率向上につながると信じています。
今後の展望
TXP Medicalは、『ICU Bridge』を遠隔ICU支援ソリューションへと進化させ、2026年までに導入医療機関の間でリアルタイムの情報共有を実現する計画です。また、ASEAN地域全体で急性期医療のDX推進に積極的に取り組むことを目指しています。
RSUIとTXP Medicalについて
Rumah Sakit Universitas Indonesiaは、特に専門的な医療サービスを提供する国立大学附属教育病院で、環境への配慮と患者安全に重点を置いた医療を展開しています。一方、TXP Medicalは、医療データによる命を救うことをミッションに掲げ、多くの医療機関で運用実績を持つ企業です。このコラボレーションは、未来の医療の在り方を変える大きな一歩となるでしょう。