TOPPANグループ、イタリアのフィルムメーカーIrplast社を買収
TOPPANホールディングスの子会社であるTOPPAN Speciality Films Private Limited (TSF)は、イタリアのフィルムメーカーIrplast S.p.A.の発行済株式の80%を取得することに合意しました。この買収により、TOPPANグループは包装用フィルムの製造・販売を行うつながりを強化し、環境に配慮した製品の開発を加速させます。
新たな環境配慮型ソリューションの提供
TOPPANグループは、環境問題に対する意識が高まる中で、脱アルミ化やリサイクル適性に優れたモノマテリアルソリューションの供給を目指しています。Irplast社が有する同時二軸延伸技術により製造される高機能BOPPフィルムの特長は、耐久性と耐熱性にすぐれている点です。これにより熱収縮が少なく、寸法の安定性が保たれるため、バリア劣化を抑えつつ、薄膜化を実現することも可能です。このような性能が、プラスチック使用量の削減にも寄与するため、環境性能が格段に向上します。
高機能BOPPフィルムの用途
この高機能BOPPフィルムは、食品や日用品のパッケージ、ラベル、プリントテープとして幅広く活用されています。これにより、TOPPANグループはIrplast社の技術を活用し、ポートフォリオを強化することで、サステナブルなソリューションを世界中に導入していく構想です。
買収の背景と目的
TOPPANグループの中期経営計画では、「Digital&Sustainable Transformation」をキーワードに、DX(デジタルトランスフォーメーション)とSX(サステナビリティトランスフォーメーション)の両立を通じて、グローバルに社会課題の解決に寄与するリーディングカンパニーを目指しています。この計画の中で、海外生活系事業に重点を置き、特にパッケージ市場での成長を見込み、急速に進化している環境意識に応じた製品開発を進めています。
特に欧州では、環境適性やリサイクル性能に優れた製品に対する需要が急速に増えており、この背景を踏まえると、Irplast社が提供する高機能BOPPフィルムの成膜技術やノウハウは、TOPPANグループの技術ポートフォリオの拡大に貢献することが期待されます。
Irplast社の概要
企業情報
- - 名称: Irplast S.p.A.
- - 所在地: イタリア・トスカーナ州
- - 代表者: Fausto Cosi
- - 事業内容: BOPPフィルム事業、ラベル事業、プリントテープ事業
- - 株式取得日: 2025年4月から6月を予定
- - 株式取得比率: 80%
今後、TOPPANグループはIrplast社との連携を深め、サステナブルな包装業界のリーダーを目指すことで、持続可能な社会の実現に貢献していく所存です。