アパレル業界の見えない機会損失の正体を探る調査結果
株式会社ハイクリは、アパレル・EC業界の改革を目指し、本部と現場の比較調査を実施しました。調査対象は、本部側から96名、現場側から279名が参加し、両者の立場で機会損失につながる経験について分析が行われました。ここでは、特に「ミドル価格帯」がどのような特性を持つのかを詳しく見ていきます。
調査の背景
アパレル業界では、商品販売状況や在庫の管理は本部と店舗で行われますが、それぞれが異なる視点から課題を抱えています。この調査では、担当ブランドの価格帯に焦点を当てることで、異なる立場の人々がどのように機会損失を経験しているのかを理解しようとしました。具体的には、ミドル/百貨店・駅ビル系に属する価格帯において両者の経験が共通していることが浮き彫りになりました。
調査結果の概要
調査の結果、本部側では78.1%が、現場側では81.4%が、ミドル価格帯における「利益毀損または機会損失」の経験を報告しています。これは、両者ともに他の2つの価格帯を凌駕する数値であり、顕著な傾向を示しています。
本部側の分析
本部側では、ミドル価格帯を担当する人々の78.1%が、機会損失が発生したと回答しました。この数値はラグジュアリー/ハイエンドの70.6%、低価格/プチプラ・量販店の75.0%を上回っており、ミドル価格帯の販売における課題が特に顕著であることを示しています。
現場側の分析
一方、現場側の81.4%もまた、顧客が欲しい商品を見つけられず購入を諦めたり、競合店やECサイトへの流出を経験していることが明らかになりました。この傾向も同様に、ラグジュアリーの66.7%、低価格・SPAの66.0%を上回っており、ミドル価格帯の経験率が最も高いことが確認されました。
本部と現場のギャップ
本部と現場の調査は、異なる設問に基づいていますが、価格帯を共通軸として比較することで、双方の経験に一定の共通点があることがわかりました。「利益毀損または機会損失」と「競合・ECへの顧客流出」は、異なる表現ながら、ミドル価格帯における売り逃しの問題で結びついていると考えられます。
現場の生の声
現場スタッフからの自由回答において、「本部は店舗の実情を理解していない」との声や、「在庫量に関する認識のズレ」が指摘されました。また、売れ筋商品の発注精度向上の重要性も強調されました。これらの声は、改善点を明確にし、業務の効率化を図るための方針を考える上で重要な参考材料となります。
調査の目的と今後の展望
この調査の目的は、アパレル本部と現場が共に認識すべき課題を洗い出し、業務の効率性を高めるための具体的な対策を考えることにあります。ミドル価格帯の機会損失を解決することは、アパレル業界全体の売上向上に寄与する重要な要素です。今後、こうした調査が広まり、業界の発展につながることを期待しています。
株式会社ハイクリの取り組み
アパレル特化の在庫管理・需要予測AIエージェント「Vestory」の開発を進める株式会社ハイクリは、業界のデジタル化を一層進めていく計画です。市場のニーズに応えるため、今後の市場動向に柔軟に対応していく姿勢が求められます。