株式会社TriOrbがNEDO DTSU事業に認可
株式会社TriOrbは、球体駆動式の全方向移動機構「TriOrb BASE」を基に、柔軟で拡張性の高い生産ラインの実現を目指しています。最近、NEDOが実施した2024年度の「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業/STSフェーズ」において、同社は採択されました。これにより、10社以上の企業から寄せられた関心をもとに技術の実用化を加速させる方針です。
NEDO DTSU事業の概要
NEDO DTSU事業は、ディープテック・スタートアップの成長を支援して民間からの投資を促進することを目的としています。特に、革新的な技術の確立と実用化を進めるための研究開発活動を支援します。この事業では、助成金の上限は5億円となっています。
TriOrbの事業概要
TriOrbの事業名称は、「高精度全方向型AMRによるフレキシブルな生産ラインの実現」であり、2024年9月から2026年9月末日までの期間で展開されます。パートナー企業として、株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズが参画しています。
革新的技術「TriOrb BASE」の特徴
「TriOrb BASE」は、従来の車輪式やオムニホイール式とは異なり、球体を駆動部分に用いた新しい移動機構です。これにより360°あらゆる方向にスムーズに移動でき、高精度な位置制御も実現します。製造現場では、これにより生産ラインの柔軟性と効率性が飛躍的に向上します。
事業の目標と社会への影響
この事業の目的は、「TriOrb BASE」技術を用いた高精度な全方向型AMR(Autonomous Mobile Robot)の開発を通じて、製造業における自動化とコスト競争力の向上を図ることです。これにより、以下のような社会的変革が期待されます:
1. 労働負担の軽減:ロボットによる単純作業の自動化により、従業員がより価値のある作業に専念できるようになります。
2. 持続可能な製造の推進:変種変量生産により無駄を減らし、環境負荷を軽減する持続可能なプロセスを実現します。
3. デジタルトランスフォーメーションの促進:CPSとの結びつきを強化し、製造業全体のデジタルトランスフォーメーションを加速させます。
4. 地域経済の活性化:新製造技術の導入によって、地域の産業活性化に寄与します。
今後の取り組み
NEDOの支援を基に以下の活動を進めていきます:
1. 技術開発の深化:効率的で柔軟な搬送ソリューションを開発します。
2. パートナーシップの強化:他社と協力し、技術の実用化に向けた実証実験を進めます。
3. 人材拡充:研究開発の人材を積極的に採用します。
4. 国際展開:海外市場への展開を進め、グローバルな成長を目指します。
5. 新市場の開拓:フレキシブルファブソリューションを他の製造分野へも普及させます。
技術開発の重点
特に注力する分野は以下の通りです:
1. フリートコントロール技術の実用化
2. 製造ロボットとの連携強化
3. 高度なセンシング技術の実装
TriOrbの今後の展開は、製造業の進化に大きな影響を及ぼすことでしょう。更なる情報は、NEDOやTriOrbの公式サイトでも確認できます。