サンケン電気株式会社が新製品を発表
埼玉県新座市に本社を置くサンケン電気株式会社は、家庭用電化製品向けに高圧3相モータ用ドライバ「SCM127xMBシリーズ」を新たに開発しました。これにより、白物家電市場におけるニーズに応える製品ラインが強化されています。
新製品の特徴
「SCM127xMBシリーズ」は、600Vの耐圧を持ち、出力素子やプリドライバ、制限抵抗付きブートストラップダイオードを一つのパッケージに収めた製品です。このシリーズには、SCM1274MB(600V/20A)とSCM1276MB(600V/30A)の二つのモデルが用意されており、特にSCM1274MBの量産が始まったことが大きなニュースです。
この新しいドライバは、安全性を向上させるため、従来モデルのSCM127xMFシリーズに対して新たな保護機能が追加されています。具体的には、短絡時過電流保護機能(SCP)やサーマルシャットダウン(TSD)の機能が組み込まれており、モータの過負荷や異常発熱といったトラブルを自動的に防ぐ設計になっています。また、温度モニタの精度も向上しており、より信頼性の高い運転を実現しています。
開発背景
近年、家庭用電化製品はさらなる高機能化が求められています。洗濯機やエアコンはその典型で、機能の充実と省エネが両立する必要があります。このような中、「SCM127xMBシリーズ」では、従来よりも効率の高い回路設計を追求し、出力素子のフリーホイールダイオード特性を改善することで、消費電力の低減やノイズの減少を実現しました。
多様な用途
この新製品は冷蔵庫やエアコンのコンプレッサ駆動、洗濯機のドラム駆動、ファンモータ、ポンプ駆動など、幅広い用途に対応しており、さまざまな家電製品での使用が期待されています。また、3シャント方式に対応しており、中容量モータのインバータ制御にも最適です。
パッケージと設計
パッケージは放熱フィン付きのDIP33を採用しており、優れた放熱性を持ち、余裕のある温度設計が可能です。さらに、CMOS入力レベルに対応し、環境に配慮したPbフリー(RoHS対応)設計であることも特筆すべき点です。
まとめ
「SCM127xMBシリーズ」の登場により、サンケン電気は白物家電業界において一層の安全性と効率を追求した製品を提供することができるようになりました。今後も家庭用電化製品の進化に寄与する製品開発を期待したいところです。詳しい情報は
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