腎臓病患者に贈る！おいしくてヘルシーな献立を提案する新レシピ本

腎臓病患者のための新たなレシピ本

腎臓病は今や国民病とも言われ、その患者数は増加の一途を辿っています。特に慢性腎臓病は、透析を必要とする患者が年々増加しており、2015年の32万人から2022年には約35万人に達しています。日本透析医学会のデータによれば、食事療法は腎臓病治療において非常に重要で、患者自身やその家族にとって、毎日の献立を考えることは負担となっていることが多いのです。そのような中、専門医と管理栄養士が手を組み、腎臓病患者のための新たなレシピ本が登場しました。

新刊『専門医が教える腎臓病のおいしい献立31日＆作りおき』

2025年9月2日に発売される本書は、腎臓の専門病院であたる増子記念病院の院長である両角國男先生と、管理栄養士の朝倉洋平先生が監修し、料理研究家で管理栄養士の岩崎啓子先生がレシピを考案しました。この本では、腎臓病患者向けの31日分の献立と、時短で作れる作りおきレシピが157品収録されています。特にこの本が優れているのは、低タンパク質・減塩という制限を守りながらも、おいしさを犠牲にしない工夫が凝らされている点です。

食事制限を感じさせない多彩なメニュー

患者にとって食事制限を続けることは、治療と同じくらい重要です。しかし、毎日の献立を考えるのが難しいのが実情です。本書では、面倒な栄養計算をすることなく、そのまま作れる31日分の献立を紹介しています。肉や魚、豆腐、卵など、さまざまな食材を使用し、飽きが来ないよう考慮されています。さらに、朝食や昼食に加えて、おいしさを感じられるごちそう献立も提案されています。

簡単な食事管理と美味しさの両立

本書に収められたレシピは、減塩の中でもおいしさを保つための調理アドバイスが満載。たとえば、しょうが焼きや厚揚げ麻婆、鶏のから揚げなど、普段使いのメニューが登場します。デザートや飲み物も充実しており、エネルギーを効率よく補給できる内容になっています。特に、前述の料理に加えて、簡単に作れる作りおきメニューも多く掲載されており、献立調整をよりスムーズにしてくれます。

知識が身につく！腎臓の基礎知識

本書は食事だけでなく、腎臓の仕組みや病気に関する基礎知識も解説。自分自身の腎臓の状態を理解し、適切な食事療法を学べる内容になっています。巻末には「タンパク質量」や「塩分量順」の索引が設けられており、外食や献立調整にも活用できるでしょう。

腎臓病患者やその家族にとって、このレシピ本は心強い味方となること間違いなしです。患者が楽に料理をし、そして美味しく食べることができることを目指したこの本。腎臓病の治療を行う患者様に、新たな食の楽しみを提供してくれる一冊となるでしょう。食事療法を続けるのが難しいと感じている方々に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。