食品ロス削減に向けたフードバンク専用保険を提供開始します！

フードバンク専用保険の誕生

損害保険ジャパン株式会社と一般社団法人全国フードバンク推進協議会が、2025年10月からフードバンク向けの専用保険を提供することを発表しました。この保険は、近年問題視されている食品ロスの削減を目的としており、特に食材を寄附して生活困窮者に提供しているフードバンクの活動を支援するものです。

1. (背景)

日本における食品ロスは年間約464万トンにも達しており、多くの食品が本来食べられるにもかかわらず廃棄されています。フードバンクは企業や個人から寄附された食品を必要とする人々に無償で提供する重要な役割を果たしていますが、現在のフードバンクの数は289団体にとどまっています。

食品ロスの全体量に対するフードバンクが扱う食品の割合はわずか0.3%であり、より多くのフードバンクが必要とされています。しかし、日本のフードバンクが抱えるリスクによって、特に寄附から生じる賠償責任に関して免責制度が存在しないため、かえって活動を消極的にしてしまう要因となっています。このため、フードバンクが簡単に加入できる専用の保険提供が求められていました。

2. (フードバンク向け専用保険の概要)

この専用保険は、フードバンク活動中に発生する法律上の賠償責任を補償するものです。全国フードバンク推進協議会を通じて契約され、加盟するフードバンクが対象となります。

保険金が支払われる事例としては、以下のようなケースが考えられます。

- フードバンクのスタッフが食品の搬入中に他の人に負傷させてしまった
- 食品の保管方法を誤って食中毒を引き起こしてしまった
- フードバンクから受け取った食品によって健康を害した人に見舞金を支払った

この専用保険により、フードバンクの活動を守り、食材の寄附を促進し、食品ロスの削減に貢献することが期待されます。

3. (今後の展望)

消費者庁は2026年4月から、一定の管理責任を果たせるフードバンクの認証制度を始める予定です。この制度では、「食品に関する事故発生時の保険加入」が求められるため、本保険の重要性が増します。損保ジャパンと全国フードバンク推進協議会は、共に協力しながら、さらなるフードバンクの設立や活動をサポートすることで、食品ロスの削減に取り組んでいくことが重要です。

今後の取り組みを通じて、フードバンクがより充実したサービスを提供できるよう、私たちも注目していきたいと思います。