年賀状が子どもたちの命を救う
年賀状の季節がやってきました。毎年多くの人々が年賀状を用意するこの時期ですが、同時に不要な年賀状が生まれることも事実です。しかし、この余った年賀状が、途上国の子どもたちを救うワクチンに変わるということをご存じでしょうか?
大切な情報源である認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」(JCV)は、使われていない年賀状や書き損じはがきを集め、これらをワクチンに変える取り組みを行っています。毎年12月15日より、郵便局での年賀状受け付けが始まりますが、届いた年賀状はJCVに寄付され、世界中の感染症から子どもたちを守る活動へとつながります。
余った年賀状で何ができるのか
日本ではワクチン接種が普及しているため、感染症による死亡率は徐々に減少しています。しかし、途上国では未だに多くの子どもたちが命を落としています。JCVの調査によれば、現在も1日約4,000人もの子どもが5歳になる前に感染症で亡くなっているのです。これを踏まえ、年賀状10枚でポリオワクチン約40人分、使用済み切手1kgを寄付すれば、BCG(結核)ワクチン約60人分に役立てられるというデータがあります。
これらのシンプルな行動が、実際には多くの命を救うことに繋がります。例えば、未使用年賀状を郵送すると、郵便局で切手シートに交換され、手数料を差し引いた79円が寄付となります。この資金は、ワクチンの購入に活用されるため、私たちの小さな寄付が大きな影響を与えるのです。
ワクチン活動の背景
JCVは1994年から活動を開始し、今年で30周年を迎えます。この30年間で、世界中の10カ国、延べ1億2,759万人以上の子どもたちにワクチンを提供してきました。ポリオやはしかなどの感染症は、途上国において重大な脅威であり、毎日多くの子どもたちが犠牲になっています。
特に印象的なのは、支援国ラオスの小学生から寄せられたメッセージです。「赤ちゃんの頃にワクチンを接種できたおかげで、友達と一緒に元気に学校に通って勉強しています。本当にありがとうございます。」この言葉は、JCVの活動がどれほど重要であるかを物語っています。
収集対象物の広がり
JCVでは、年賀状だけでなく、未使用や使用済みの切手、金券、外国紙幣、テレホンカード、さらには貴金属やアクセサリーも回収しています。これにより、より多くの方々が参加できる機会が広がっています。
送付先も明記されており、個人だけでなく企業や団体でも協力が可能です。特に、大量のはがきを送ることで、ワクチン支援の量も増加します。支援を希望される方は、メールアドレスや担当者名を記載して、受領書を依頼することもできます。
まとめ
年賀状を書くこと自体はとても身近な活動ですが、それが世界の子どもたちの未来を救う一助になるとは驚きです。年賀状を通じての支援という新たな形を知り、多くの方々が参加していただけることを願っています。JCVの活動に加わり、子どもたちの健康と未来に貢献してみてはいかがでしょうか?