漁師とシェフ、研究者が生み出す未来への対話
2025年9月11日、東京の明治公園にて、株式会社UMITO Partnersが主催するイベント「海を語り、海を食べる」が開催されます。このイベントは、全国から漁業者、シェフ、研究者が集まり、気候変動や環境問題に直面する海の現状について語り合う貴重な機会です。ここでは、「UMITOBA」というコミュニティが主となり、実際に海と向き合う人々が未来の豊かな海について考えることを目的としています。
イベントの趣旨と背景
日本の漁業は多様な生態系のおかげで成り立っていますが、近年は急速な気候変動に見舞われ、多くの漁業者が苦境に立たされています。この現状を踏まえ、2024年に始まった「UMITOBA」は、漁師たちがオンラインで集まり情報交換や対話を行い、海の豊かさを次世代に引き継ぐべく取り組みを進めてきました。これにより、漁業者同士のつながりや、新しい視点の重要性が認識され、その成果を対面の場で共有する機会を得るために、初の対面イベントが企画されたのです。
詳細なプログラム内容
イベントは、14:30から18:00まで行われ、会場の定員は50名で、参加方法はオンラインでも可能です。特に、会場参加者には漁業者が丁寧に作った特別メニューが提供され、漁師や専門家との直接的な対話を楽しむことができます。料金は一般参加が5,000円、漁業者や漁協職員は無料、オンライン参加は無料と、幅広い層に向けた設定がされています。
トークセッション
イベントのプログラムでは、まず「漁師が守る豊かな海」というテーマで、明石浦漁協の戎本裕明さん、山口県漁協の小濱一也さんと上田健吾さん、島根県の吉川岳さんがリレー形式でそれぞれの体験や課題を共有します。これに続いて、Aカデミアと料理人の対話があり、九州大学の清野聡子准教授と料理人の野村友里さんが仕掛けます。参加者は、自然環境を守ることで得られる海の恩恵について学びながら、実際に料理を楽しむ機会も設けられています。
特別な料理メニュー
このイベントの一大魅力の一つが、「食べて感じる豊かな海」というテーマ下で提供される特別メニューです。参加者は、漁師たちが釣った新鮮な魚や野菜を使った料理を楽しみながら、海の保護の重要性について考えを深めることができます。参加する料理人は、全国各地の漁師から届けられた食材を用いて、ただの料理を超えた体験を提供します。
漁業を支える人々の交流
このイベントの目的は、ただ漁師と料理人が一堂に会することではなく、漁業者、政策決定者、さらには一般消費者が一緒に語り合い、課題を共有する場として位置づけられています。そのため、漁業者だけでなく、流通業者や関係者も呼びかけられ、様々な立場の人々が意見を交わせることが期待されます。
まとめ
「海を語り、海を食べる」は、ただの食を楽しむイベントではなく、海の持続可能性や漁業の未来を考えるための対話の場です。気候変動の影響を受けながらも、それに立ち向かう漁業者たちの姿を知り、共に未来を築くためのコミュニティの一員として、参加者がどのようなアクションを取るべきか、実感できる機会となることでしょう。海と人の関係を再考し、未来に向けての一歩をともに踏み出すこのイベントに、ぜひご参加ください。