富士ソフトとデンソー、AIによるナレッジマネジメントの新展開
富士ソフト株式会社は、株式会社デンソーが抱える技術継承の課題に応えるため、新たにナレッジマネジメントシステムの構築を開始しました。このシステムは、経験豊富なエンジニアが持つ技術や情報をAI技術を活用してデジタル化し、次世代へと継承することを目的としています。特に、熟練エンジニアの知識情報の可視化は、属人化を解消し生産性を向上させるための重要なステップとされています。
デンソーの企業理念と技術的課題
株式会社デンソーは、先進的な自動車技術や製品を提供するグローバルな企業であり、さらに産業用ロボットなど幅広い分野で事業を展開しています。「地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい」というスローガンの下、安全で持続可能なモビリティの未来を追求しています。しかし、グローバルな事業展開によって熟練エンジニアのナレッジが属人化しやすくなっており、この課題の解決が求められていました。
ナレッジマネジメントシステムの具体的内容
富士ソフトでは、デンソーの熟練エンジニアから得られる技術や情報をAIに学習させ、誰もがデータベースから容易に情報を抽出し、活用できるナレッジマネジメントシステムを設計しています。これにより、技術の継承だけでなく、社内全体の生産性の向上にも寄与することが目指されています。
このシステムは、技術に対する理解を深めるために、具体的な事例やマニュアルを効果的にまとめることが可能であり、特に若手エンジニアがキャッチアップするための強力なツールとなることでしょう。
今後の展望
富士ソフトは、この新しいシステムの開発を通じて、自社のソフトウェア開発やAIに関するノウハウを活かし、製造業界の様々な問題解決に貢献し続けることを表明しています。また、デンソーとの長期的な協業により、ナレッジマネジメントシステムの構築を進化させていく考えです。
デンソーからのエンドースメント
デンソーの研究開発部課長である田口和也氏は、「富士ソフトとの35年にわたる関係において、彼らが提供する技術力が大きな支えとなっている」と述べ、AIを駆使した取り組みへの期待感を示しています。彼は、今後も富士ソフトと共にナレッジマネジメントシステムの深化を図る意向を語っています。
参考リンク
この提携により、デンソーが直面する課題を共に解決していく姿勢が強調され、産業全体における技術者の育成と知識の継承の重要性が再認識されています。これは、今後の製造業における新たな時代を切り開くための重要な一歩といえるでしょう。