入院中の子どもに付き添う家族の実態調査2025がスタート
認定NPO法人キープ・スマイリングは、入院中の子どもに付き添う家族の生活実態を深く掘り下げるため、「入院中の子どもに付き添う家族の生活実態調査2025」を開始しました。この調査は2022年に行われた「入院中の子どもに付き添う家族の生活実態調査2022」の後続となっており、その結果を踏まえて今後の政策提言や病院環境の改善を目指します。
調査の背景と目的
2022年の調査では、付き添い家族から「食べられない、眠れない、目が離せない」といった悲痛な声が寄せられ、入院期間中の家族の生活が非常に厳しいものであることが明らかになりました。この状況を受けて、国や医療現場では診療報酬の改定や新たな支援制度の導入が進んでいます。
例えば、診療報酬の改定により、保育士の配置が評価されたり、付き添い者への配慮が強化されるようになりました。しかし、依然として地域によって環境に大きな差があることや、基本的なサポートが不足していることが課題として残っています。このような現状を把握し、家族が安心して付き添える環境を整えるための必要なデータを収集することが目的です。
調査内容とスケジュール
調査は2025年10月から12月にかけて実施され、全国の医療機関や保護者、都道府県を対象に行われます。具体的には、入院付き添いを経験した家族の実態や、診療報酬改定の影響を調べ、得られたデータは2026年の春に公表される予定です。
調査対象の主な内容
- - 入院付き添い経験のある保護者: 食事、睡眠、経済的負担、きょうだいへの支援などの実態を調査
- - 全国の小児医療機関: 付き添い環境の状況、診療報酬改定の影響、補助金の活用状況
- - 全国47都道府県: 補助金申請状況、予算、進捗状況
家族の声を政策に反映
前回の調査の結果を基に、国や学会に対して要望書を提出し、その結果として診療報酬の改定や新たな補助金制度が生まれました。また、付き添い環境の改善に向けた取り組みも着実に進展を見せているものの、「地域差が大きいために十分な支援が行き届かない」といった課題も依然として多く存在します。特に、医療者からの「人的資源の確保が難しい」という声や、付き添う家族の「休む時間がない」といった現実が浮き彫りになっています。
調査の意義と未来への展望
この調査を通じて、全国の小児病棟における付き添い環境の変化を明らかにし、今後の支援策に反映させることが求められています。私たちの目指すべきは、「安心して付き添える環境」と「安心して離れられる制度」の両立です。そのためにも、家族や医療者、行政が一体となってその状況を改善していく必要があります。
結論
入院中の子どもに付き添う家族の声は、今後の政策形成に重要な役割を果たすことが期待されます。調査結果がどのように社会に影響を与えるのか、私たちもその行動を見守っていきたいと思います。さらなる環境改善のため、引き続き様々な取り組みを進めていくことが求められます。