木村化工機、経済産業大臣賞で栄冠
2025年度省エネ大賞において、木村化工機株式会社が開発した『ROMVR式高沸点溶剤回収装置』が最高賞である「経済産業大臣賞」を受賞しました。この受賞は、同社にとって3年連続、そして4度目となる快挙です(経済産業大臣賞は2度目)。
省エネへの大きな貢献
この装置は、従来の蒸気式蒸留法と比較して、一次エネルギー使用量を約8割、CO2排出量を約86%削減することが可能です。これにより、環境保全や省リソース、リサイクルに寄与することが高く評価され、受賞につながりました。
本装置の技術的特長
1. RO膜の活用
本装置は、RO膜を使用して排水の中の高沸点溶剤を高効率で回収し、再利用できるようにします。従来、製造工程で使用された後に排水として処理されていた高沸点溶剤は、リサイクルコストが高く、廃棄物として扱われるのが主流でした。しかし、この装置を導入することで、希薄な高沸点溶剤のリサイクルが経済的に可能になり、新たな資源の循環が期待されます。
2. MVR式蒸留の採用
本装置は、MVR(メカニカル・ボルテージ・リカバリー)式蒸留を採用しており、さらにRO膜による前濃縮を行っています。この組み合わせにより、消費エネルギーを大幅に削減しつつ、高純度の溶剤を効率的に回収できる設計がなされています。
経済性の向上
受賞を受けて、木村化工機では新たに7基目の装置を製作中で、これまでに6基の納入実績があります。これにより、装置の導入者は経済的な利点を享受でき、希薄な高沸点溶剤のリサイクルが新たなビジネスモデルに繋がる可能性があります。
会社概要
木村化工機株式会社は、兵庫県尼崎市に本社を置く総合エンジニアリング企業で、1924年に設立されました。資源循環や低環境負荷エネルギー供給を通じて、持続可能な製造業と社会の構築に貢献しています。高い技術力と研究開発力を誇り、特に蒸留・蒸発装置においては業界内での確固たる地位を築いています。
まとめ
今回の「経済産業大臣賞」受賞は、木村化工機の持つ技術がどれほどのインパクトを持っているかを示す重要な証です。今後も更なる技術革新が期待される中、同社の活動から目が離せません。