20代求職者が望む上司の指導スタイルとは?
株式会社ジェイックが運営する、フリーターや既卒、高校・大学卒業者を対象にした就職支援サービス、「ジェイック 就職カレッジ®」が、2024年12月から2025年3月にかけて、20代の求職者を対象に実施したアンケート調査の結果を発表しました。この調査では、145名の求職者が上司に期待する指導のスタイルを探ったところ、「伴走型」と「教示型」が注目されました。
調査結果の概要
「上司に求める指導スタイル」として最も支持を集めたのは「伴走型」で、44.8%の回答者が選びました。このスタイルは、上司が課題解決の方法を共に考え、具体的なアドバイスを提供するものです。続いて「教示型」が42.8%で、業務を進める手順を詳細に指導することが求められています。一方、「委任型」(6.2%)と「模範型」(6.2%)は両者ともに低い支持率となりました。
この結果は、20代の求職者が、単に自分でやってみることや、行動を見て学ぶよりも、上司から直接フィードバックを受けながら成長を望む傾向があることを示しています。
入社後1年間のサポート体制
さらに、入社1年目に企業に実施してほしいサポートについても尋ねたところ、62.8%の求職者が「同じ部署の先輩に相談できる場を提供してほしい」と回答しました。この結果は、ブラザー・シスター制度など、先輩社員が支援を行う重要性を物語っています。次いで47.6%が「上司に定期的に相談できる場がほしい」と答え、1on1制度などの重要性も浮き彫りになりました。
また「同期や同僚との交流機会を提供してほしい」と答えた人も37.9%おり、新入社員研修や社内イベントが求められています。一方で、33.8%は「相談窓口の設置」を求めており、より利用しやすい相談の場の必要性を感じていることが明らかです。
このように、入社1年間にわたる支援体制が求職者にとって大切であるという調査結果は、高いニーズを反映しています。特に新人が身近な先輩や上司からの具体的なサポートを受けたいとの声は、成長に直結していると言えるでしょう。
経営層への提言
この調査の結果を受けて、株式会社ジェイックの取締役である近藤浩充氏は、若手社員の育成において「伴走型」や「教示型」のスタイルを活かす重要性を指摘しています。特に、上司がいかに効果的に指導を行なうかが、部下の成長に大きな影響を与えると述べています。30代から50代の管理職層にとって、この調査結果はマネジメント手法の再考を促すものではないでしょうか。
上司は業務を任せる際の適切なプロセスを持つことが重要です。具体的には、部下面談を行い個々の育成計画を立て、フォローアップのタイミングを計画していく必要があります。また、部下には任せる内容の裁量を明確に伝えることで、業務の責任感を持たせることが求められています。これにより、自分の力で業務を進めると同時に、上司のサポートを受けられる環境の構築が可能となるでしょう。
まとめ
最後に、新人育成における先輩社員の関与が必要不可欠であると同時に、上司の積極的なフィードバックが部下の成長を促す要素であることが確認されました。20代の求職者が求める指導スタイルが、今後の企業の人材育成の在り方に影響を与えることが期待されます。企業が提供する教育支援サービスの質と手法を見直すことが、優秀な人材の育成につながると言えるでしょう。