女性の健康課題に向き合う新たなストレスチェックの実証
株式会社With Midwifeは、令和7年度のフェムテック等サポートサービス実証事業費補助金により、女性特有の健康課題とストレスチェックの関連性を検証しました。この研究は、令和10年度に予定されているストレスチェック義務化の拡大を背景に、企業がストレスチェックを「実施」するだけではなく、それを有効に「活用」することが求められる時代への転換を目指しています。この実証事業では、メンタル不調に影響を与える女性特有の問題に焦点を当てました。
調査背景と課題
ストレスチェック義務化が拡大される令和10年度には、従業員数が50名未満の事業所も対象になることが発表されています。これにより、より多くの企業が従業員のメンタルヘルス対策に取り組む必要が生じるでしょう。しかし、現実にはストレスチェックを行っている企業でも、その結果を十分に活用できていない状態が報告されています。
特に、高ストレス者への適切な対応が不足しており、心理的支援のための面談を受ける人数が少ないという指摘があります。このため、単なるストレスチェックの実施から一歩進んで、得られた結果を基に具体的な支援や職場改善に繋げる運用が重要になると考えています。
さらに、月経やPMS、更年期といった女性特有の健康課題は、業務パフォーマンスやメンタルヘルスに影響を与える可能性があるため、企業内での支援体制の強化が求められています。しかし、これらの問題は非常にデリケートなため、企業側では把握しづらい領域でもあります。
実証調査の概要
本実証は、5つの企業が協力し、506名の従業員を対象に行われました。女性従業員が368名、男性従業員が138名という構成です。調査では、以下の方法が取り入れられました:
- - 女性特有の健康課題に関するアンケート
- - 職業性ストレス簡易調査票(BJSQ)による調査
また、医療専門職がオンラインでの個別支援を行い、自宅で気軽に相談できる環境を整えました。さらに、eラーニングによる教育提供も進めました。
調査結果とその意義
調査の結果、女性従業員278名のデータを用いた分析が行われました。BJSQで示された「心身のストレス反応」という指標において、女性特有の健康課題との関連性が見出されました。特に、ストレス反応スコアが高い群では、月経やPMS、更年期に何らかの課題を抱える人の割合が高いことが確認されました。これは、女性特有の健康問題が心理的・身体的ストレス反応として影響を与えている可能性を示唆しています。
一方で、仕事のストレス要因や周囲からの支援などの環境要因については、同様の関連は見つかりませんでした。これにより、従来のストレスチェックで重視されてきた職場環境要因とは異なる側面として、女性特有の身体的・生理的要因がストレス反応に影響を与えていることが考えられます。
また、事後アンケートでは、THE CAREという支援プログラムを活用した約62名の対象者から、改善が見られるケースが確認されました。具体的には、通院や制度利用、産業医との面談など、具体的な行動に繋がった人数は目標を上回りました。さらに、支援満足度も高く、オンライン相談やeラーニングの評価がほぼ95%を超えていました。
今後への期待
この実証から得られた知見は、ストレスチェックが単なるリスク把握に留まらず、適切な「測定」「支援設計」「介入」「行動変容」「効果検証」の連携を通じて、より効果的なメンタルヘルス対策が可能であることを示唆しています。With Midwifeが提供する「THE CARE」は、まさにこの一連のプロセスを実装するためのサービスです。医療専門職による継続的な関与と、匿名での相談ができる環境が、従業員の健康を支える上で非常に有力な手段となっています。
With Midwifeの代表取締役である岸畑聖月は、「女性がライフステージごとに直面する健康課題が、仕事に影響を与える現場を多く見てきました。この課題を医療で解決することは難しく、企業での支援機構が必要だと実感しています」と述べています。今後もより多くの企業と連携し、安心して働ける社会を構築するための努力を続けていきたいと意気込みを見せています。
企業向けのご案内
この実証で得られた知見を活用し、各企業向けに個別の支援設計や活用方法を紹介する機会をご用意しています。特に50名以上の企業で、ストレスチェックの実施や結果の有効活用に課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。