地域百貨店の新接客体験
地域百貨店の接客スタイルが革新を迎えています。NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)と株式会社NTT QONOQ(コノキュー)は、三越伊勢丹グループの広島三越と岩田屋三越との連携により、デジタル技術を柱とした新たな接客体験を実現するための取り組みを開始しました。この取り組みは、地域の顧客をターゲットに、より深く結びつくことを目指しています。
デジタル技術による背景
三越伊勢丹グループは、地域百貨店でもエリア内の集客や顧客との結びつきを強化すべく活動しています。首都圏の主要な店舗との連携により、各店舗での顧客満足度向上と利用拡大を図ることが目的です。また、広島三越では県内のお客様のニーズに応じた外商員の同行サービスを展開しており、店内での買い物体験を極上のものにしています。
今回新たに導入されたデジタル技術の一環として、NTT Comとコノキューが手掛けるリアルタイム映像伝送技術を活用し、遠隔でも商品の魅力を十分に伝えるサービスが開始されました。これにより、首都圏の店舗に行けない顧客にも高品質なサービスを提供し、新たな購買体験を提供することが可能になりました。
本取り組みの具体的な内容
広島三越と福岡の岩田屋三越が、リアルタイム映像伝送ができる環境を整えました。これにより、広島三越にいる顧客が、リモートで岩田屋三越の商品を体験でき、地域間の顧客送客の可能性を探ることができました。具体的には、約250km離れた広島と福岡を、NTT Comの「OPEN HUB Window」とコノキューの「MiRZA®」、「NTT XR Real Support」を通じて接続しました。これにより、広島三越にはないブランドの商品を、まるで手元にあるかのように感じられる新たな購買体験を提供しました。
体験した顧客からは、アンケートを通じて「OPEN HUB Windowの映像の鮮明さに感動した」「MiRZAを装着したことで店舗を歩いているかのような感覚を楽しめた」との声が寄せられ、実際に福岡の岩田屋三越へ来店希望を抱く顧客もいたことが報告されています。
使用された技術
本取り組みで使用された主なデジタル技術は以下の通りです:
- - OPEN HUB Window: 高精細な映像と音声で、遠隔地でもリアルタイムにコミュニケーションが取れるディスプレイ型デバイス。
- - MiRZA®: コノキュー開発のXRグラスで、軽量で疲れにくさを重視しており、ハンズフリーで商品を紹介する際に利用。
- - NTT XR Real Support: MR技術を活用したビデオ通話機能を持ち、遠隔支援を可能にするソリューション。
このように、技術の進化により、接客の形も変わりつつあるのです。
今後の見通し
本取り組みを経て顧客からのポジティブなフィードバックを受けた三越伊勢丹グループは、今後も「OPEN HUB Window」や映像伝送システムを基盤とし、さらなる接客体験の向上を目指します。また、IOWNやAIなど、新たなデジタル技術を活用して、首都圏と地方の顧客がよりつながる高品質な接客を提供することを目指しています。
このようなデジタル技術の進化により、地域百貨店の未来が新たな方向へと進むことが期待されます。これからの接客体験に注目が集まります。