タグ・ホイヤーが海洋保全と雇用支援を融合した新たな取り組み
スイスの高級時計ブランド、タグ・ホイヤーは2025年7月17日、海の日に向けて「里海珊瑚プロジェクト」の始動を発表しました。このプロジェクトは、海洋保全と社会的包摂を結びつけたもので、同社の持続可能性や多様性への真摯な姿勢を象徴しています。
アクアレーサー コレクションの精神を受け継ぐ
この革新的なプロジェクトは、タグ・ホイヤーのアクアレーサーコレクションの精神を受け継いでいます。アクアレーサーは、海中の冒険をテーマにしたコレクションで、耐久性と精度に優れたタイムピースとして知られています。タグ・ホイヤーは、このプロジェクトを通じて、日本における持続可能性と多様性の強化を目指しています。
また、サンクスラボ株式会社との提携により、プロジェクトは障がい者に有意義な雇用機会を提供する取り組みとしても位置付けられています。この活動は、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を進めるもので、最新のIoT技術を駆使し、サンゴの育成から移植までの工程を経て、海洋生態系の復元を目指しています。
陸から海へ、一年間の旅
「里海珊瑚プロジェクト」は、2024年5月に沖縄の遠隔オフィスでサンゴの養殖から始まりました。プロジェクトでは、障がいを持つ従業員が、人工海水を用いたサンゴの陸上養殖を管理することで、社会的包摂を促進しつつ、従業員のスキル向上や雇用機会の創出が図られています。
さらに、沖縄県那覇空港南沖に自生するサンゴのうち、毎回5~6種類のサンゴを育成し、有性生殖による産卵や育成も進めています。
保全の革新と未来の海
このプロジェクトでは、IoT技術によるモニタリングや水中カメラ、センサーを活用し、サンゴの健康状態を観察する体制を築いています。これにより、海洋酸性化や温暖化といった現代の課題にも対応し、サンゴの生存に不可欠な条件を整えることが可能です。
特に、高温や酸性度に強いサンゴ株の繁殖に重点を置いた研究も行われており、技術的な進歩が期待されます。
サンゴ礁の危機とその対応
サンゴ礁は、近年、海水温の上昇や汚染によって深刻な危機に直面しています。「里海珊瑚プロジェクト」は、サンゴの生息地の回復に寄与し、これらのエコシステムを未来の世代に残すための重要な取り組みとなっています。
特に、2025年6月には、陸上で育てたサンゴを、地方自治体や漁業パートナーの協力を得て、海中に設置された移植基盤に植え付けました。これにより、サンゴが捕食者や激しい海流から保護されるだけでなく、小魚やその他の海洋生物を引き寄せる漁礁としての役割も果たします。
未来への期待
最終的に、サンゴの健康状態や周辺の生物多様性のデータを観察するPOCシステムが導入され、技術と自然の調和の中で長期的な保護が進められています。
タグ・ホイヤーのアクアレーサーコレクションは、このプロジェクトの象徴であり、精度と耐久性を兼ね備え、過酷な海洋環境でも信頼されるパートナーです。この取り組みを通じて、同社は未来の世代が海の素晴らしさを理解し、保護していくことを目指しているのです。