笹川日中友好基金が翻訳出版事業を再始動
2025年6月18日から22日にかけて、中国・北京で開催された「第31回北京国際ブックフェア(BIBF 2025)」において、公益財団法人 笹川平和財団の笹川日中友好基金が日中図書翻訳出版交流事業の再開を発表しました。このフォーラムには、南京大学出版社をはじめとする代表的な出版社のメンバーが集まり、今後の展望や意見を交換しました。
日中文化交流の重要性
笹川日中友好基金は、2009年から2019年までの10年間、日中図書翻訳出版事業を行っており、その中で117冊に及ぶ日本語作品が中国語に翻訳され、出版されました。この事業は、中国の図書館や研究機関に寄贈されたことにより、両国の学術交流や相互理解を促進してきました。しかし、コロナ禍の影響で一時中断していました。
再開のきっかけと新たな展望
新たな枠組みでの再スタートとなるこの事業では、初めての出版物として、著名な作家・学者である五百旗頭真氏の著作『大災害の時代-三大震災から考える』の中国語版を南京大学出版社から発行しました。続いて、鈴木哲也氏と高瀬桃子氏の共著による『学術書を書く』の中国語版も刊行されました。
これにより、日中両国の理解がさらに深まることが期待されています。翻訳出版事業における新たな取り組みとして、中国の書籍の翻訳出版も進めていく計画があり、中国社会についての理解を促進することを目指しています。
文化を通じた架け橋
笹川日中友好基金の活動は、本を通じた異なる文化や考え方の交流の機会を創出しています。また、日中出版界における課題を共有して、より広い知的交流を図る取り組みも展開していく予定です。このような活動が、両国の文化的な架け橋を築く一助となることを目指しています。
今後も笹川日中友好基金の活動に注目が集まっています。国際的な視点から、日本と中国の文化的な理解を深めるための土台を築いていくことは、両国民の相互理解を促進する上で非常に重要です。
まとめ
この翻訳出版事業の再開により、日中文化交流が新たな局面を迎えようとしています。お互いの国の歴史や文化を理解しあうための地道な活動には、今後も大いに期待がかかります。これからも日本と中国の関係深化に向けた努力が続けられることを心から願っています。