日本の「シルバー川柳」が韓国で話題に
2025年に向けて超高齢社会へ突入する韓国。その中で、日本の「シルバー川柳」が注目を集めている。特に、2023年6月に開催された第16回イーデイリー戦略フォーラムでは、「愉快なシニアライフ、美しいエンディング」というテーマで高齢化の現状が語られた。
「シルバー川柳」は、株式会社ポプラ社が手掛ける人気シリーズで、累計100万部を突破。参加者が自身の体験や思いを詩にすることで、老いをポジティブに表現する試みが評価され、韓国語版も昨年にリリースされベストセラーになった。高齢化が進む韓国において、日本の文化が新しい視点を提供していることが伺える。
高齢化社会の現状
韓国では、出生率が過去最低の0.72人に達し、65歳以上の人口が5分の1を超える超高齢社会になる見込みである。日本もこれに遅れることなく、数年前から高齢化に直面している。一方で、韓国では日本の高齢化に対する取り組みや文化に対する関心が高まっているという。
「シルバー川柳」の魅力
「シルバー川柳」とは、公益社団法人全国有料老人ホーム協会が2001年から主催し、毎年受け付けられる川柳作品の公募活動である。この活動は、老いを否定せず、楽しく受け入れてもらうことを目的として始まった。2012年からは入選作を集めた書籍も刊行している。
毎年、時事的なテーマや社会的な変化をユーザーがユーモアを交えて表現しているため、共感を呼ぶ作品が数多く存在する。
高齢化と文化の関わり
高齢化に伴う身体的な衰えや社会との接点の減少は、しばしばネガティブな側面として語られることが多い。しかし「シルバー川柳」は、ユーモラスな視点から老いを逆転の発想でとらえることで、勇気と希望を与える仕組みとなっている。このような文化的アプローチは、老いと向き合う人々にとって共感を呼び起こす重要な要素である。
イーデイリー戦略フォーラム
「イーデイリー戦略フォーラム(ESF)」は、韓国のメディア企業イーデイリーが創設した知識共有の場。政治、経済、社会、文化といった多様なテーマが扱われる中で、国内外のリーダーたちが集まり、意見や知見を交換する貴重な機会となっている。このフォーラムでのプレゼンテーションは、高齢化問題に対する新たな視点を提供し、大きな反響を呼んでいる。
まとめ
「シルバー川柳」は、ただの詩ではなく、高齢化社会の課題を語る重要なメディアとなった。日本と韓国の高齢化に対する取り組み方の違いを理解することは、今後の社会における高齢者の位置づけや、どのように共存していくのかを考える上で欠かせない視点となる。この文化の重要性を再認識し、国を越えた知恵を共有することこそ、現代社会の持つ課題を克服する鍵であるといえよう。